FTA締結国・地域との貿易額は中国全体の35%に、利用率の向上にも言及

(中国)

北京発

2022年02月25日

商務部の高峰報道官は2月17日、中国と自由貿易協定(FTA)を締結した国・地域との2021年の貿易額が前年比23.6%増の10兆8,000億元(約194兆4,000億円、1元=約18円)となり、中国の同年の貿易総額に占める比率が約35.0%に達したと発表した。なお、中国は26カ国・地域との間で19のFTAを締結(注1)している。

また高報道官は、中国が加入申請しているCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定)、DEPA(デジタル経済パートナーシップ協定)に関する関係国とのコンタクト状況や今後のFTA交渉計画などについて説明した(注2)。

高報道官は、中国はCPTTPの協定内容につき、全面的かつ深い評価・分析を行うとともに、国内改革の深化を通してCPTPPルールの基準に全面的に適合するよう努力し、市場参入分野で現行水準を上回るハイレベルな開放を約束し、加盟国に対し中国市場への参入機会を提供することを望んでいるとした。その上で、CPTPPの加入プロセスに基づいて、現在、加盟国とコンタクトし協議を進めていると明らかにした。また、DEPAについては、関係国と密接な意思疎通を行うとともに、技術的な内容についての協議を進めているとした。

今後のFTA計画については、GCC(湾岸協力会議)、イスラエル、ノルウェー、エクアドル(2022年2月18日記事参照)とのFTA交渉、日中韓FTAの交渉を引き続き推進していくとした。さらに、物品貿易においてゼロ関税品目の比率を引き上げ、サービス貿易および投資や市場参入規制を緩和し、デジタル経済、環境など新しい課題に関する交渉に参加するほか、FTA利用率の向上に力を入れ、FTAの実際の効果をさらに高めていくとも述べた。

(注1)各協定の詳細は商務部の中国FTAサービス網外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから参照できる。

(注2)中国は2021年9月16日にCPTPPへの加入を、また、同年11月1日にはDEPAへの加入を正式に申請している(2021年9月17日記事2021年12月2日記事参照)。

(趙薇)

(中国)

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