スリランカ、計画停電が「新たな判断方式」のもとに実行

(スリランカ)

コロンボ発

2022年02月24日

スリランカは電力不足を背景に、1月末から2月にかけて計画停電を行うか否かの瀬戸際の対応を行っていたが、2月18日と21日に計画停電を実施した。以降の当面3カ月間は、公共事業委員会(PUCSL)が策定した「新たな判断方式」(注1)に従い、停電を行うかどうかは日ごとに判断され、発表されることとなった。

セイロン電力庁(CEB)は1月後半からPUCSLに対して、ピーク時の電力需要を満たせないとして計画停電の実施スケジュールを提案し、認可を求めていた(2022年1月28日記事参照)。当初、1月末から2月初旬に大規模な計画停電が行われる可能性が高かったが、PUCLSは1月末に、電力需要を満たすだけの発電用燃料を当面は確保できるとして、計画停電は先延ばしされていた。CEBは、手元の燃料で各発電所の当面の稼働は可能としたものの、その期間は数日から10日間程度の短期間で、電力不足の懸念は続いていた。2月に入ると、複数の発電所で発電機の故障や修理に見舞われ、燃料不足とは別の理由でも発電量が減り、全土的に突発的な停電が起きていた。

このような状況下、PUCSLは2月15日午前、CEBの提案を認め、計画停電を開始することをいったんは決めた。しかし、同日午後には翻って、電力供給はコントロール下にあり停電は行わないと真逆の内容を発表。加えて、今後は「新たな判断方式」(注1)に従い、停電を実施するかどうかをその都度決めるとした。PUCSLは同時に、仮に発電所が問題なく稼動すれば、「新たな判断方式」に基づき、少なくともこの先3カ月間は計画停電が不要との見方を示していた。実際には、発電に必要な燃料が逼迫し計画どおりに発電所が稼動できないとして、2月18日、21日と計画停電が行われた。

2月21日の停電を例にとると、20日夜にPUCSLウェブサイトにおいて21日の計画停電のスケジュールが示された。南部州を除く全ての地域で、午前8時30分から午後7時30分までの間に、細かく分けられた地域ブロックごとに1時間のローテーションで停電が課されるとの内容だった。南部州のみ、午前8時30分から午後4時30分の間に3時間の停電を課すとした。

コロンボ郊外に拠点を構える進出日系企業に、18日と21日の計画停電の様子を聞いたところ、事前に停電の時間帯が発表されていたものの、実際にはスケジュールとは違う時間帯でも突発的な停電が起きたと回答。一方、進出日系製造業を含めた製造業協会は、工場の安定的操業のために輸出加工区(EPZ、注2)には計画停電を適用しないよう政府に働き掛けていたが、今回の「新たな判断方式」による計画停電にはEPZも対象として含まれている。

なお、スリランカは2019年に、極端な降水量減少による水力発電量の低下が原因で計画停電を経験しており(2019年4月19日記事参照)、今回の大規模停電は3年ぶりとなる。

(注1)「新たな判断方式」(New Methodology):電力の想定需要と供給量を事前に算出、不足電力量に応じて停電時間を日ごとに決め、実施する方式。PUCSLが提示する目安として、仮に100メガワット(MW)級の発電所が燃料不足や発電機の故障などで稼動しない場合、停電は不要になる。他方、200MW級の発電所が稼動しない場合、1時間の停電を実施。300MW級の発電所が稼動しない場合、1時間半の停電を実施。

(注2)輸出加工区(Export Processing Zone):投資促進委員会(BOI)が管理する輸出志向型製造業などが集積する経済特区。テナント企業はBOIの各種支援、インセンティブなどを享受する。

(糸長真知、ラクナー・ワーサラゲ)

(スリランカ)

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