政府の3省、農地などでの自然保護と調和した太陽光発電の拡大支援で合意

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2022年02月18日

ドイツの経済・気候保護省と、環境・自然保護・原子力安全・消費者保護省、食料・農業省は2月10日、太陽光発電拡大の方策についての3省による合意事項外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した(経済・気候保護省プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。再生可能エネルギー法(EEG)の支援対象を農地などでの太陽光発電にも拡大する予定。

ドイツは2021年6月に成立した改正気候保護法で、気候中立〔温室効果ガス(GHG)排出量実質ゼロ〕達成の目標年を2045年としている(2021年7月6日記事参照)。目標達成のためには太陽光発電の大幅な拡大が必要とされる。3省の合意ではこれまでと同様に、建物の屋根を利用した太陽光発電のほか、埋め立て地などの舗装された土地や土壌汚染のある土地、道路の路側帯などを優先的に太陽光発電に利用するとした。加えて、環境に配慮した太陽光発電の大幅な拡大も必要だとして、全ての農地での営農型太陽光発電設備(注)を支援する。同設備によって1つの土地で農業と発電の両方を利用することができる。発電による土地の農業利用への影響が15%までの場合、EUの共通農業政策(CAP)の支援を受けることも可能。一方、自然・気候保護の観点から、自然保護地域や緑土、重要な湿原・泥炭地などは今回の合意の対象外となる。また、現在は農業に利用されている干拓された湿原や泥炭地は、気候保護に貢献する再湿原化を実施すれば、太陽光発電をEEGによる支援可能なものとする。

2030年までに電力需要に占める再生可能エネルギーの割合を80%に高める目標(2021年12月24日記事参照)を背景に、ロベルト・ハーベック経済・気候保護相は「電力消費量は今後増加する見込みだが、現在、電力消費量に占める再生可能エネルギーの割合は40%強だ。そのため、この割合を今後9年間で2倍以上に高める必要がある」と指摘した。また「太陽光発電の設備容量は現在60ギガワット(GW)弱だが、最大で200GW分の設備が新たに追加可能となる」との試算を述べた。

ドイツソーラー産業連盟(BSW)は、建築物だけではなく、適切な土地での太陽光発電拡大をおおむね歓迎した、一方、政府の今回の提案では、気候保護目標の達成に十分な太陽光発電の面積を確保するには不十分だと指摘した。

なお、3省の合意内容は政府が4月末までに発表する予定の第1次気候保護パッケージ(2022年1月18日記事参照)に含まれる予定。

(注)農地に支柱を立てて上部の空間に太陽光発電設備を設置することで、農業を継続しながら太陽光発電を行うこと。

(ベアナデット・マイヤー、作山直樹)

(ドイツ)

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