欧州産業界、ウクライナへの連帯とEUの対ロ制裁への支持を表明

(EU、ウクライナ、ロシア)

ブリュッセル発

2022年02月28日

ビジネスヨーロッパ(欧州産業連盟)は2月24日、ロシアによるウクライナへの軍事行動を受けて、声明を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ビジネスヨーロッパは「明らかな国際ルール違反で、欧州や世界の平和と安全を脅かしている」とロシアを強く非難し、欧州は国際法の擁護と、「EUと貿易、投資分野で強いつながりを持つ」ウクライナを支援するため、強力で効果的な行動を示す必要があるとした。

その上で、EUのロシアに対する追加制裁(2022年2月28日記事参照)を支持し、制裁が効果を上げるには十分に的を絞って、できる限り明確なものとし、また実施にあたっては米国など関係国と十分に協調すべきだとした。しかし、特にロシア企業と取引がある、また現地で事業を展開する企業を含め、欧州企業に影響は出ると指摘し、影響を緩和するため、EUが早期にガイダンスを示し、制裁に関する可能な限り詳細な情報提供と欧州企業に対する支援を行うことが必要だとした。また、EUおよび加盟国に対して、ウクライナ、ロシア、ベラルーシで活動するEU市民、企業の保護を求めた。

声明ではまた、欧州のエネルギー価格がすでに前例がない水準へと上昇する中、今回の危機によって、欧州企業や消費者がさらに大きな影響を受けると強い懸念を示した。実際、「ファイナンシャル・タイムズ」紙(電子版2月24日)によると、ロシアが軍事行動を開始した24日、欧州の天然ガス価格は約70%も上昇し、原油価格は2014年以来初めて1バレル当たり105ドルを超えた。小麦、トウモロコシといった農産物やアルミニウムなど金属も供給不安から市場価格が上昇した。ビジネスヨーロッパは、EUは結束して、エネルギー、重要な原材料や部品について他の供給元を確保する努力を続け、サプライチェーンが混乱した場合への備えを強化すべきだとした。また、今回の危機を受け、EUは欧州の平和と安全、経済の安定のための影響評価を実施し、政治的、経済的な教訓を得るべきだとした。

ICT業界はサイバーセキュリティ分野でのウクライナ支援が必要と訴える

欧州の情報通信技術(ICT)関連産業団体のデジタルヨーロッパも2月24日、声明を発表し、ウクライナへの連帯とEUのロシアに対する制裁への支持を表明した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。デジタルヨーロッパは、ウクライナは、同国のICT業界が近年、活況を呈している(2020年7月29日付地域・分析レポート参照)が、同時にサイバー攻撃の対象にもなっており、「こうした脅威に単独で立ち向かうことはできない」と、EUはNATOと共にウクライナへのサイバーセキュリティ分野での支援を直ちに行うべきだとした。デジタルヨーロッパは、欧州ではサイバーセキュリティ分野の専門家が不足しており、ルーマニアのブカレストに設置予定であるEUレベルの人材育成機関の早期開設など、人材育成・確保は急務だとして、国外への脱出を希望するウクライナのIT人材へのビザ発給を優先的に行うことを検討すべきだとも述べた。

(滝澤祥子)

(EU、ウクライナ、ロシア)

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