EUの特別欧州理事会で対ロ追加制裁に合意、軍事行動を強く非難

(EU、ウクライナ、ロシア、ベラルーシ)

欧州ロシアCIS課

2022年02月28日

EUは2月24日、ロシアによるウクライナへの軍事行動を受け、対応を協議するため、特別欧州理事会(EU首脳会議)を開催。同日発表した総括で、ロシアの軍事行動を最大限に厳しい表現で非難するとした(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ロシアの違法な軍事行動は国際法と国連憲章の原則に著しく違反しており、特にウクライナの主権を含む欧州と世界の安全と安定を脅かしているとし、ロシアはその行動に対して全責任を負うことになると指摘。また、ロシアに対し、すぐに軍事行動を停止し、ウクライナの全領土から撤退することや、サイバー攻撃を停止することなどを求めた。さらに、ウクライナへの軍事行動に対するベラルーシの関与も非難し、同国に対する追加の経済制裁を科すべく、緊急に対応するとした。欧州理事会はウクライナへの完全な連帯を確認し、政治的、財政的、人道的支援を継続すると強調した。

欧州理事会はまた、2月23日にEU理事会(閣僚理事会)が採択したロシアへの制裁措置(2022年2月24日記事参照)に加えて、新たな制裁を科すことに合意。金融、エネルギー、輸送、二重用途品、輸出管理、輸出金融などの分野の制裁と、個人への制裁について対象者の追加と条件を見直すとした。同制裁措置は、欧州委員会と外務・安全保障政策上級代表の案に基づき、速やかにEU理事会で採択されるとした。

欧州委のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は特別欧州理事会後の記者会見で、追加制裁の内容について説明(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ロシア経済と政治関係者に対して大きな影響を及ぼす制裁措置だと強調した。まず、ロシアの最も重要な資本市場へのアクセスを断つための金融制裁を科すとともに、エネルギー分野を対象にしたロシアへの輸出禁止措置を講ずる。また、ロシアの航空会社への航空機や航空機部品・機器の販売禁止、半導体や先端技術などの重要技術へのロシアのアクセスを制限する。さらに、外交官や関係団体、ビジネス関係者に対しEUへの渡航を制限する。これらの措置に関しては、米国、英国、カナダ、ノルウェーのほか、韓国、日本、オーストラリアなどのパートナーや同盟国と緊密に調整を行っているとして、各国との結束を強調した。

(土屋朋美)

(EU、ウクライナ、ロシア、ベラルーシ)

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