バイデン米政権、第2弾の対ロ制裁発表、追加の金融制裁と輸出管理が柱

(米国、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ)

ニューヨーク発

2022年02月25日

ジョー・バイデン米国大統領は2月24日、ロシアが現地時間24日(米東部時間23日)にウクライナへの軍事攻撃を開始したことを受けて、第2弾となる制裁を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(概要のファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。G7での連携によるものとしており、第1弾の金融制裁(2022年2月24日記事参照)への追加措置と、半導体などハイテク製品の輸出管理が柱となっている。一方で、国際銀行間通信協会(SWIFT)からのロシア排除や、ロシアの主要なエネルギー企業への制裁は今回の発表に含まれなかった。

米国財務省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、追加の金融制裁は、(1)ロシア最大のズベルバンク、第2位のVTBバンクを含む主要5行の制裁対象指定、(2)米国人(注1)によるロシア主要国有企業13社(注2)の新規の債券・株式取引の禁止、(3)ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に近い人物とその家族、関連法人の「特別指定国民(SDN)」への指定の3点で構成している。(1)に関してはズベルバンクのみ、米金融機関が外国金融機関のためにコルレス口座またはペイヤブル・スルー口座を開設・維持することを禁止する、いわゆるCAPTAに指定した。その他、VTBバンクを含む4行は、米国内の資産凍結や米国人との資金・物品・サービスの取引の一切が禁止されるSDNに指定した。財務省はロシアを支援しているとされるベラルーシに対しても、同国の国有銀行や防衛関連企業、防衛大臣等要人を制裁対象に加える発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを行っている。また、財務省は今回指定した制裁対象に関して、一定の条件の下、特定の取引を許可する一般許可(General License)を数種類発行している(注3)。

ロシア向けの新たな輸出管理については商務省が発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしており、24日付で有効となっている。新規則の概要をまとめたファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます詳細を記した官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、同省産業安全保障局(BIS)が管理する規制品目リスト(CCL)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのカテゴリー3~9(注4)に該当する米国製品(物品・技術・ソフトウエア)をロシアに輸出・再輸出・国内移送(輸出等)する場合は、今後、BISの事前許可が必要となる。かつ、申請をしても、人道上の理由など限られた例外を除き、却下の扱いになるとしている。また、米国製のソフトウエア・技術を用いて米国外で生産された製品についても、事前の許可申請を求めるとしている〔いわゆる外国生産直接製品(FDP)ルール〕。ただし、日本をはじめ、米国と同様のロシア向け輸出管理を導入する国については、このFDPルールの対象外としている。このほか、軍事目的の使用または軍事転用する恐れのある需要者に対する管理も強化している。

バイデン大統領はこのほか、ウクライナ危機を受けた原油価格の高騰を抑えるべく、戦略石油備蓄の放出の可能性についても言及した。プーチン大統領との会談予定について問われた際には「(現時点では)ない」と否定した。

(注1)米国市民、米国永住者、米国の法律に基づく、もしくは司法権が及ぶ域内に存在する法人(外国支所も含む)、もしくは米国内に存在するあらゆる個人を指す。

(注2)米財務省公表の指令文書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の付属書1(Annex I)を参照。

(注3)米財務省公表の、今回の制裁措置詳細に関するページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(注4)3:エレクトロニクス、4:コンピュータ、5:通信・情報セキュリティー、6:センサー・レーザー、7:ナビゲーション・アビオニクス(航空電子工学)、8:海洋技術、9:航空宇宙・駆動技術。米国の輸出管理規則については、ジェトロ調査レポート「厳格化する米国の輸出管理法令(2019年9月)」「続・厳格化する米国の輸出管理法令 留意点と対策(2021年8月)」を参照。

(磯部真一)

(米国、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ)

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