「新型コロナ禍」で2020年のGHG排出量減少も、反動増へ対策強化

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2022年01月28日

ドイツ連邦環境庁および経済・気候保護省は1月20日、2020年の温室効果ガス(GHG)排出量〔二酸化炭素(CO2)換算、以下同様〕が前年比8.9%減の7億2,874万トン、1990年比では41.3%減と確報値(注)を発表した(同庁プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

エネルギー分野のGHG排出量は、前年比15.2%減の2億1,248万トンと大幅に減少した(添付資料表参照)。主な要因は、石炭・褐炭の使用量の減少、天候に恵まれ陸上風力発電を中心に再生可能エネルギーによる発電量が増加したこと(2020年12月28日記事参照)、「新型コロナ禍」の影響で経済活動が鈍化したことによる電力消費量の減少。交通分野の排出量は、前年比で11.0%減少し、1990年の排出量を再び下回った。国内の乗用車保有台数が13年連続で増加したにもかかわらず、乗用車による排出量が13%減少した。これは、主に「新型コロナ禍」による行動制限で走行量が大幅に減少したため。電気自動車の増加やバイオ燃料の割合が高いガソリンの利用増による影響は比較的小さかった。また、国内航空交通の排出量は53%減と非常に大きく減少した。工業分野の排出量は、「新型コロナ禍」の経済的影響により、7.2%減少した。

連邦環境庁のディルク・メッスナー長官は「新型コロナ禍の影響で2020年のGHG排出量は大きく減少したが、われわれの予測では2021年の排出量は再び増加している。ドイツが目指している気候保護法に定める2045年の気候中立の目標(2021年7月6日記事参照)の達成には、太陽光・風力発電や電気自動車の増加、再生可能エネルギーを利用した熱供給への変革、工業生産の根本的な変革が必要だ」と強調した。さらに「最初の一歩は踏み出しており、今後は各省庁が実施に向けて努力すべき」と続けた。また、経済・気候保護省のパトリック・グライヘン副大臣は「気候保護政策は重大な課題に直面している」と述べた。ドイツの経済と社会の変革を積極的に形作るべきで、気候保護法の目標の達成には2030年までに現在の排出量削減のスピードを3倍ほど加速することが必要とした。今後、気候保護法で定めた年間排出量を守るため、全ての分野を対象とした追加の対策が強く求められており、気候変動対策の「即時プログラム」を開始して、必要な法律や施策を策定してゆく(2022年1月18日記事参照)と説明した。

なお、連邦環境庁は2022年3月15日に2021年のGHG排出量予測を発表する予定。

(注)2020年のGHG排出量予測は、2021年3月に発表されている(2021年3月25日記事参照)。

(ベアナデット・マイヤー)

(ドイツ)

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