米サンフランシスコ市、屋内大規模イベント参加者に追加接種を義務化

(米国)

サンフランシスコ発

2022年01月21日

米国カリフォルニア州サンフランシスコ市公衆衛生局は1月10日、公衆衛生に関わる命令を更新PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。500人超が参加する屋内の大規模イベントの12歳以上の参加者に原則、ワクチン接種証明の提示を義務化する。接種の状況は最新(Up-to-Date)の必要があり、追加接種(ブースター接種)の資格がある場合は、追加接種を受けた証明の提示も求められる(注1)。16歳以上は2月1日から、12~15歳は3月1日から適用となる。

認められる接種証明の例は、次のとおり。

  1. 米国疾病予防管理センター(CDC)発行のワクチン接種カード
  2. ワクチン接種カードの写真
  3. 携帯電話などに保存されたワクチン接種カードの画像
  4. 医療機関発行の文書
  5. 虚偽の場合、偽証罪に当たることを認識して署名した自己証明
  6. カリフォルニア州が発行したデジタル接種記録(注2)

サンフランシスコ市では2021年8月から、大規模イベントなど一定の屋内施設の利用者に対して、ワクチン接種完了証明の提示が義務化されていた(2021年8月18日記事参照)。今回の命令更新では、州公衆衛生局の基準変更に則して、「大規模イベント」の定義が、屋内は参加者1,000人超から500人超に、屋外は1万人超から5,000人超に引き下げられ、接種証明提示義務の対象イベントが拡大した。展示会やカンファレンス、スポーツ・音楽イベントなどが影響を受けるとみられる。例えば、サンフランシスコのプロバスケットボールチーム、ゴールデンステート・ウォリアーズの本拠地チェイスセンターはウェブサイトで、来場者向けにワクチン接種などの入場要件に関するガイドラインを説明している。

北カリフォルニアでは、サンノゼ市でも2月4日から、市所有の施設で開催される50人以上の屋内イベントの参加者に対して原則、追加接種を含むワクチン接種証明の提示、または、検査の陰性結果(注3)の提示が義務化される。ワクチン接種証明などの提示義務は、2021年8月から導入されていたが、サム・リカード市長が12月、追加接種の義務化に関する動議を議会に提出し、議会が1月11日に承認した(2021年12月24日記事参照)。

(注1)CDCは追加接種の推奨間隔外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますについて、ファイザー・ビオンテック製およびモデルナ製のワクチンは2回目接種から5カ月後、ジョンソン・エンド・ジョンソン製は1回目接種から2カ月後としている(2022年1月5日記事参照)。サンフランシスコ市の命令では、例えばファイザー製ワクチンの2回目接種から追加接種までに必要な期間がたっていない場合でも、2回目接種から2週間経過していれば接種完了とされ、接種状況は最新となる。

(注2)他州や外国政府などが発行した類似の文書でも可。

(注3)500人超の大規模イベントの場合、入場前1日以内の抗原検査または同2日以内のPCR検査の結果が認められる。

(石橋裕貴)

(米国)

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