米加州、新型コロナ対策を発表、医療従事者への追加接種義務化

(米国)

サンフランシスコ発

2021年12月24日

米国カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は12月22日、オミクロン型変異株など新型コロナウイルス対策の新たな計画を発表した。

まず、州内全ての医療従事者(老人ホームなどの集合施設も含む)に、原則として2022年2月1日までに追加のワクチン(ブースター)接種を義務化する。ブースター接種を受けていない場合は、暫定的に週に2回、新型コロナウイルス検査を受けることを求める。同州では既に医療従事者に対して、9月30日までにワクチン接種を必要な回数(ビオンテック・ファイザー製とモデルナ製:2回、ジョンソン・エンド・ジョンソン製:1回)受けるように求める命令を出していた(2021年8月12日記事参照)。

次に、児童の冬休み終了後に学校での感染拡大を抑えるため、全ての公立幼稚園からグレード12(高校3年生)までの児童・生徒に1~2回、迅速検査を提供する予定。同州の公衆衛生局は地域の公衆衛生局などとともに、できる限り速やかに効果的に検査キットの配布を行うとしている。ニューサム知事は22日の会見で「学校の対面授業は維持することを約束する。学校を閉鎖することはしたくない」などとコメントし、対面授業を維持する方針を強調した。

計画では、州が運営する新型コロナ検査施設の稼働時間を延長し、全ての州民が検査を受けられるようにもする。

同州ではブースター接種(2021年12月15日記事2021年11月24日記事参照)を求める動きが広がり始めている。カリフォルニア州立大学は22日、大学の施設やプログラムを利用する教授、職員、学生に対して、原則として2022年2月28日、もしくは、最終接種の6カ月後までのいずれか遅い時期までにブースター接種を求めることを発表した。

同州サンノゼ市では、サム・リカード市長が21日、全ての市職員や市所有の屋内施設の利用者に対して、ブースター接種を義務化する動議を提案した。この動議が議会で通過すれば、同州で初めて接種義務化を実現する都市になるという。同市では既に全ての市所有施設での50人以上のイベントの参加者に対して原則、ワクチン接種証明の提示を義務化している。対象となる市の施設には、コンベンションセンターやプロアイスホッケーチームのサンノゼシャークスの本拠地でもあるSAPセンターなども含まれる。

(石橋裕貴)

(米国)

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