2021年の固定資産投資額、電子製造施設とイノベーション拠点などで1兆円超

(シンガポール)

シンガポール発

2022年01月28日

シンガポール経済開発庁(EDB)は1月26日、同庁が管轄する同国の固定資産投資額(FAI、コミットメントベース)が2021年に118億シンガポール・ドル(約1兆30億円、Sドル、1Sドル=約85円)だったと発表した。前年の172億Sドルを下回った。ただ、2021年にはエレクトロニクス関連の大型投資案件やオープンイノベーション拠点の設置などもあり、EDBが設定した中長期のFAI目標「80億~100億Sドル」(注)を上回った。

FAIの国別では、米国が67.1%で最大の割合を占め、次いで欧州が13.1%と続いた。日本は1.7%だった。分野別では、エレクトロニクスと医薬品・医療機器(バイオメディカル)が全体の5割以上を占めた。主な大型投資案件としては、米半導体受託生産企業のグローバルファウンドリーズが6月、シンガポールの同社工場の拡張を着工(投資額50億Sドル)したほか、ドイツの半導体シリコンウエハー製造会社シルトロニックが2021年10月、新しい300ミリメートルのシリコンウエハーの製造施設を着工(同約30億Sドル)した。また、フランスのサノフィが4月に、最先端のワクチン製造施設の設置を発表(2021年4月13日記事参照)。さらに、武田薬品工業は9月に、シンガポールの建物の環境基準「グリーン・マーク」に基づく新たな施設を着工した(同1,400万米ドル)。

2021年には研究・開発(R&D)施設やスタートアップ、テック企業との協業を行うオープンイノベーション拠点の新設も相次いだ。主なイノベーション拠点の開設案件は、米デル・テクノロジーズが2月、3年間で約6,600万Sドルを投資して「グローバル・イノベーション・ハブ(GIH)」を設置すると発表。中国の通信機器製造の華為技術(ファーウェイ)が同月、アジア太平洋地域のモバイルアプリの開発者を対象にしたイノベーション拠点「DIGIXラボ」を開設した。さらに、ドイツの自動車部品メーカー、ボッシュは7月に社内ベンチャーとスタートアップのインキュベーション拠点を開設し、2023年までに5つの新たなベンチャー事業を創出する目標を発表している。1月26日付の「ビジネス・タイムズ」紙がEDBの情報として伝えたところによると、2018年以来40以上のコーポレートベンチャーが同国に設置されているという。

(注)EDBは2020年から年ごとのFAIの見通しを発表するのをやめ、代わりに中・長期のFAI目標額(80億~100億Sドル)を設定している(2020年1月23日記事参照)。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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