オミクロン変異株に対して水際措置強化の動き

(世界、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランド、インド、中国、韓国、EU、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スイス、ロシア、北米、中南米、米国、カナダ、ブラジル、メキシコ、チリ、ペルー、中東、アラブ首長国連邦、トルコ、サウジアラビア、イスラエル、アフリカ、南アフリカ共和国)

国際経済課

2021年12月07日

世界保健機関(WHO)は11月26日、新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン変異株(B.1.1.529 変異株)が確認されたことを発表し、主要国・地域では、初めての感染が確認された南アフリカ共和国と中心とする一部のアフリカ諸国(注)や香港などの国からの入国制限、入国時検査や隔離措置の強化といった水際措置の厳格化を進める動きがあった。

12月1~6日に現地で収集した情報を基に、ジェトロでは世界主要国・地域における主にオミクロン変異株に係る水際措置強化の状況、ワクチン接種の進展状況などを「海外主要30カ国・地域のワクチン接種状況およびワクチン証明に基づく水際措置一覧(2021年12月7日更新)PDFファイル(1.2MB)」にまとめた。

東南アジアでは、12月6日時点でタイ、マレーシア、シンガポールでオミクロン変異株の感染が確認されており、感染が未確認の国も含め、アフリカ諸国を中心に一部国・地域からの外国人の入国禁止措置が取られている。また、入国禁止対象国からの自国民や永住者などの入国については認める一方で、政府指定施設での隔離や隔離期間の延長などの対応がとられている。タイでは、オミクロン変異株の感染拡大などを理由に、2020年3月から発令中の非常事態宣言を2022年1月31日まで延長することを発表した(2021年12月2日記事参照)。シンガポールでは、ワクチン接種者を対象に相互に隔離なしの渡航を可能にする「ワクチン・トラベルレーン(VTL)」を27カ国に対して導入しているが、12月4日からVTLを利用した入国者に対して、到着時のPCR検査に加え、入国後7日間毎日の抗原検査を義務付ける(2021年12月7日記事参照)。ベトナムでは、11月29日にアフリカ諸国の一部の国を発着する航空便の見合わせ、入国停止が提案され、検討中だ。フィリピンでは、アフリカ諸国の一部に加え、スイス、イタリアなどを含む欧州の一部の国からの入国が禁止された。

オミクロン変異株の感染例の有無にかかわらず、外国からの入国者に対する水際措置を強化する国もある。米国では、11月29日からアフリカ諸国の一部対象国に過去14日以内に滞在した外国人を入国禁止とするほか、12月6日からは2歳以上の空路で入国する渡航者全員に対して、出国前1日以内に受けた感染検査の陰性証明の提示を義務付けた(2021年11月29日記事参照2021年12月6日記事参照)。イスラエルでは、11月29日から2週間、特別許可を得た者を除く全ての外国人の入国を禁止する。韓国では、12月3日から16日までの2週間、韓国人を含む全ての国・地域からの入国者に対して、ワクチン接種の有無にかかわらず、指定隔離施設での10日間の隔離措置が導入された。

そのほか、オミクロン変異株の感染が確認されている欧州諸国、ブラジル、チリ、アラブ首長国連邦、サウジアラビアなどでも、一部のアフリカ諸国からの入国禁止・制限措置をとっている。

一方、2022年2月4日から冬季オリンピックが開催される中国では、2021年12月6日現在でオミクロン変異株の感染は確認されておらず、同変異株に特化した水際措置の強化は行われていない。中国疾病予防コントロールセンター(CDC)は、引き続き中国国外からのウイルス流入を防ぎ、国内での感染拡大を防ぐ対策を進めるとともに、オミクロン変異株に対するPCR検査方法を確立し、国内流入時の対応に備えているという。

多くの主要国・地域では、新型コロナウイルスのワクチンの3回目接種(ブースター接種)や18歳未満への接種が進んでいる。特に、英国(12歳以上の人口の35.2%、12月4日時点)、シンガポール(総人口の28.0%、12月3日時点)、米国(総人口の23.3%、12月5日時点)などで、3回目接種の比率が20%を超える。

オミクロン変異株の発生を受けて、国内での制限措置を急激に強化するような動きは見られないものの、ワクチン接種証明書の提示を義務化するといった国もみられる。フランスでは、2回目のワクチン接種完了から7カ月以内の3回目接種を完了していない場合、65歳以上は12月15日以降、18歳から64歳までは翌1月15日以降から、レストランや長距離の公共交通機関利用などの際に提示が義務付けられる衛生パス(フランス独自のワクチン接種証明書)が無効となる。ドイツでは、職場への出勤時、公共交通機関利用時など、ワクチン接種証明書や陰性証明書などの提示義務化範囲を拡大している。さらに、陰性証明書のみの提示では飲食店や小売店には入店不可などのワクチン未接種者に対する厳格な行動制限も開始された(2021年12月6日記事参照)。

※その他主要国・地域の状況については、「海外主要30カ国・地域のワクチン接種状況およびワクチン証明に基づく水際措置一覧(2021年12月7日更新)PDFファイル(1.2MB)」を参照。

(注)国・地域によって、対象国に差異があるが、南アフリカ共和国、ボツワナ、エスワティニ、レソト、マラウイ、モザンビーク、ナミビア、ジンバブエ、アンゴラ、ザンビア、タンザニア、マダガスカル、エジプト、ナイジェリアなどが対象となっている。

(田中麻理)

(世界、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランド、インド、中国、韓国、EU、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スイス、ロシア、北米、中南米、米国、カナダ、ブラジル、メキシコ、チリ、ペルー、中東、アラブ首長国連邦、トルコ、サウジアラビア、イスラエル、アフリカ、南アフリカ共和国)

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