モザンビークでオミクロン株の疑い症例が報告

(モザンビーク)

マプト発

2021年12月02日

モザンビーク保健省は11月30日、同省公式SNSにおいて同国内で採取された検体2件から、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」に感染した疑いのある症例が検出されたと発表した。アルミンド・チアゴ保健相によると、今回の検出結果はPCR法によるもので、数日以内にウイルスの遺伝子検査を実施し特定する予定だ。

チアゴ保健相は、隣国の南アフリカ共和国で既にオミクロン株の感染が確認されている(2021年11月29日記事参照)ことから、オミクロン株の可能性は高いと述べ、感染拡大を抑制する基礎的な予防策の実践とワクチン接種を呼び掛けた。加えて、入国時のスクリーニング体制、新型コロナウイルスの遺伝子型検査体制や第4波に備えた医療体制などの強化に取り組んでいると述べた。世界保健機関(WHO)によると、モザンビークでは11月30日時点で累計感染者数が約15万人となっており、ワクチン接種は人口の約11.9%に当たる約373万人が完了している。

オミクロン株の流行拡大防止を目的とした各国の渡航制限を受け、モザンビークに乗り入れている国際便は運航停止を発表している。ポルトガル航空(TAP)は11月26日、欧州委員会から加盟国への要請(2021年11月29日記事参照)を受けたポルトガル政府が、11月29日以降のモザンビークおよび南アからの航空便乗り入れを禁止したことにより、モザンビーク便を運航停止とした。日本人の利用頻度が高いカタール航空も11月26日、モザンビーク、南アを含む南部アフリカ5カ国からの乗客受け入れ停止を発表した。なお、ドーハのハマド国際空港からモザンビークのマプト国際空港への往路便は運航されているが、復路便は運航停止となっている。エチオピア航空とケニア航空は、11月29日時点でモザンビーク便の運航情報を発表していない。

(松永篤)

(モザンビーク)

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