「バイブラント・グジャラート2022」でスタートアップ・ピッチイベント開催へ

(インド)

アーメダバード発

2021年12月20日

インドのグジャラート州政府が、2022年1月10日に開会する「バイブラント・グジャラート2022」のプレイベントの1つとして、前日の1月9日に「スタートアップ:破壊的イノベーションの創造」をテーマに、スタートアップ支援に焦点を当てたピッチイベントを開催することが明らかになった。同州のスタートアップ・エコシステムの可能性を内外に発信する(2021年10月25日記事2021年11月16日記事2021年11月29日記事参照)。

このプレイベントは「ボウリング場:スタートアップのためのピッチイベント」(Bowling Alley-Pitching Event for Startups)と名付け、1月9日に「iCreate外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」のキャンパス内で終日開催される。

同州のスタートアップ企業が投資家グループに対してビジネスプランとビジネスモデルを提案する長時間のピッチイベントだ。また、インド商工省産業国内取引促進局(DPIIT)、startup India外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますiHub外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますiCreate外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますGUSEC外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますGVFL外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますといった州政府系や州立大学系の主要アクセラレーターや投資ファンドによる共同のサブセッションも実施される予定(現地メディア12月9日付)。

中でも、同州アーメダバードに本社を置くGVFL Limitedは、1990年に世界銀行の主導で設立された、インドのベンチャーキャピタルのパイオニアとして広く知られ、過去20年間に8つのベンチャーキャピタルファンドを設立し、94社以上の企業を支援してきた。今回のイベント参加はグジャラート州のスタートアップ企業を集め、同州のスタートアップ・エコシステムと、そのイノベーションをインド内外の大手投資家に発信するのが狙いだ。

バイオテクノロジー、アグリテクノロジー、教育テクノロジー、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、防衛テクノロジーなどの各分野が対象となっており、主な投資家としては、ベッセマーベンチャーパートナーズ、トリフェクタ・キャピタル、ユニコーン・インディア・ベンチャー、イエコニミティ・インベストメント、GVFL Ltd、イエコニミティ・インベストメント、9 ユニコーン、100X VC、シックス・センス・ベンチャーなどの参加が見込まれている。

グジャラート州政府は「スタートアップ・グジャラート」を立ち上げ、スタートアップ企業やイノベーター、インキュベーター、投資家、ベンチャーキャピタル、起業家などによる知識・情報交換や、シード資金の創出、イノベーション分野の成長を促進する一方、「学生スタートアップ・イノベーション政策」を通じて、学生の創造性を育て、起業を支援している。同州は2018年と2019年の2年連続で、DPIITの州別スタートアップ・ランキングで「トップパートナー」を獲得している。

ナレンドラ・モディ首相は、2022年のインド独立75周年に75社のユニコーン企業が誕生することを目標に掲げている。これを受けてインド政府は「スタートアップ・インディア」や「アタル・イノベーション・ミッション」など、イノベーションやスタートアップを育成するエコシステム構築に向け、さまざまな取り組みを行っている。インドは現在、60社以上のユニコーンを擁する世界第3位のエコシステムを有し、「グローバル・イノベーション・インデックス」の上位50カ国にランクインするなど上昇を続けている。

(古川毅彦)

(インド)

ビジネス短信 5c5e78b9d10ac00c