フランス環境移行相、パリ協定ルールの合意などを評価

(フランス)

パリ発

2021年11月19日

英国で開催されていた国連気候変動枠組み条約第26回締結国会議(COP26)が、11月13日に成果文書を採択して閉幕した(2021年11月16日記事参照)。フランスのバルバラ・ポンピリ環境移行相は15日、COP26について自身のツイッターで総括し、石炭火力発電の「段階的廃止」と途上国への資金支援で合意できなかったことは残念だとしつつ、「困難な状況下で、完璧ではないにせよ、明確な進歩を伴う合意に達した。COP26は失敗ではなかった」と述べた。

また同相は、最終合意の採択により、米国のトランプ政権下で後退した、気候変動に関わる多国間の協力体制が再度始動したこと、気候変動の国際枠組み「パリ協定」の運用ルールで課題となっていた市場メカニズム(第6条)と透明性の枠組み(第13条)について合意が得られたことを評価した。さらに、全体合意と並んで2030年までのメタン排出量の30%削減、2022年までの海外での化石燃料事業への公的資金供与の停止、南アフリカ共和国の脱炭素化への資金援助など特定分野での合意が地球温暖化防止に与える影響について高く評価した。

COP26でフランスが参加を表明した主なイニシアチブや行動計画は以下のとおり。

  • 世界のメタン排出量を2030年までに2020年比で30%削減する「グローバル・メタン・プレッジ」
  • 南アフリカ共和国の脱炭素化に向けた「公正なエネルギー移行パートナーシップ」(2021年11月4日記事参照
  • 電力、鉄鋼、水素、自動車、農業など二酸化炭素(CO2)排出量が多いセクターで2030年までに途上国に気候変動防止に関わるイノベーションや技術を移転する「ブレイクスルー・アジェンダ」に関する声明(2021年11月4日記事参照
  • 国境を越えた太陽光送電ネットワークの構築計画「グリーングリッド・イニシアチブ-ワンサン・ワンワールド・ワングリッド(OSOWOG)」
  • 森林破壊停止を目標にした「森林と土地利用に関するグラスゴー宣言」と先進12カ国・地域による資金拠出(フランスは8億ユーロの拠出)を行う「グローバル・フォレスト・ファイナンス・プレッジ」(2021年11月5日記事参照
  • ゼロエミッション船を運航するグリーン海運回廊の開設を目指す「クライドバンク宣言」と国際航空分野の「国際航空気候野心宣言」
  • 電気自動車(EV)の充電インフラ整備に向けた投資計画

なお、エマニュエル・マクロン大統領はCOP26開催期間中の11月9日、国民に向けたテレビ演説の中で、気候変動対策の目標達成に向け、再生可能エネルギーの拡大を継続しつつ、国内での原発建設を再開すると表明した。建設計画の具体的な内容は2021年中に発表される予定だ。

(山崎あき)

(フランス)

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