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第3四半期の米国の新車販売は前年同期比13.4%減、半導体チップ不足で生産減

(米国)

ニューヨーク発

2021年10月06日

モーターインテリジェンスの発表(10月1日)によると、米国の2021年第3四半期(7~9月)の新車販売台数は、前年同期比13.4%減の339万5,397台となった(添付資料表1参照)。新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ前年からの繰り越し需要などが下支えとなり、前年同期比で大きく増加した第2四半期(4~6月、2021年7月9日記事参照)から一転し、2桁減となった。世界的な半導体チップ不足の影響による一部生産停止などで、堅調な需要に供給が追い付かなかったことが大幅な減少の要因となった。2019年同期比では、下げ幅はさらに大きく、21.5%減となった。

部門別にみると、乗用車が前年同期比16.0%減の77万7,178台、小型トラックが12.6%減の261万8,219台となり、大型乗用車(1.2%増)を除く全部門で減少した。

部門別のシェアでは、スポーツ用多目的車(SUV)やピックアップトラックなど高価格帯を含む小型トラックが77.1%と依然高い水準を占めている。さらに、在庫薄の中で各メーカーが割引額を抑えていることから、9月時点での1台当たりの平均車両価格(暫定)は、これまでで最も高い4万2,802ドルとなった(JDパワー、9月28日)。9月の販売店の在庫数は前年同期比58%減に落ち込んだこともあり(コックスオートモーティブ9月27日)、メーカーが提供する割引額が1台当たり平均1,755ドルと過去最低の水準に抑えられた。

第3四半期の販売台数を主要メーカー別にみると、トヨタがゼネラルモーターズ(GM)を12万2,888台上回り、前期に続き2期連続で全米首位となった(添付資料表2参照)。ミニバン「シエナ」が前年同期比2.2倍、中型SUVの「ベンザ」「4Runner」がそれぞれ8.8倍、20.8%増と伸びを牽引した。販売台数2位のGMはSUV「エクイノックス」が51.9%減、乗用車「マリブ」が98.9%減、ピックアップトラック「シルバラード」が17.0%減と、販売台数の押し下げ要因となった。ステランティス(注)は「ラム・ピックアップトラック」が22.1%減、ジープのSUV「チェロキー」が71.7%減となった。フォードはピックアップトラック「Fシリーズ」、ホンダはCUVの「CR-V」、日産は乗用車「アルティマ」などがそれぞれ2桁減で押し下げ要因となった。電気自動車(EV)メーカーのテスラは、前年同期比35.6%増、2019年同期比でも79.8%増と大きく伸び、販売台数は7万5,509台となった。前年発売のCUV「モデルY」が63.5%増と好調だった。なお、新興EVトラックメーカーのリビアンは、9月に同社初となるバッテリー式電気自動車(BEV)の大型ピックアップトラック「R1T」を市場投入して話題となった(2021年9月21日記事参照)。

今回の結果に関し、GMのチーフエコノミスト、エレイン・バックバーグ氏は「ここ数カ月は供給が販売を抑制しているが、十分な求人、繰り越し需要の増加、(新型コロナウイルスの)パンデミック時に多くの世帯で蓄積された過剰な貯蓄のおかげで、根底にある需要状況は引き続き堅調」と分析した。他方、自動車情報サイト、エドマンズ・ドット・コムのエグゼクティブディレクター、ジェシカ・コールドウェル氏は「最近まで米国内メーカーよりもやや好調だったアジアのメーカーを含め、米国の自動車業界全体が現在かなり不安定な状況にあり、小売価格が全体的に上昇している。全ての自動車メーカーがサプライヤーや物流に翻弄(ほんろう)されているため、今年の残りの期間にどのメーカーがトップに踊り出るのか予測することは非常に困難になっている」と、先行きの不透明さを強調した(オートモーティブニュース10月1日)。英調査会社IHSマークイットのアナリスト、クリス・ホプソン氏は「在庫の制約で2021年の残りの期間、自動車需要が上振れする可能性は限られており、2022年の前半でもほとんど回復は期待できないと予想される」との見方を示している(オートモーティブニュース9月6日)。

(注)フィアットクライスラー・オートモービルズ(FCA)とグループPSAが2021年1月16日に経営統合した。

(大原典子)

(米国)

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