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オーストラリア、中国のCPTPP加入申請受け、WTOルール順守や閣僚級対話求める

(オーストラリア、中国)

シドニー発

2021年09月24日

オーストラリアのダン・テハン貿易・観光・投資相は9月22日の記者会見で、中国が環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)への加入を正式に申請(2021年9月17日記事参照)したことを受け、「CPTPPへの加入には、この協定が求める高水準の要件を満たすとともに、WTOや既存の貿易協定におけるコミットメントも順守する必要がある」との見解を示した。

また、テハン大臣は、「加入交渉では、閣僚レベルで話し合うことが重要だ。オーストラリアは中国との建設的な関係を望んでおり、対話の用意がある」と述べた。オーストラリアは現在、中国がオーストラリア産の大麦やワインに課した追加関税についてWTOで争っており、大麦だけでなくワインに対する賦課についてもWTOにパネルの設置を要請したと16日に発表したばかりだった。テハン大臣の「対話の用意がある」については、中国による貿易制裁に対して、オーストラリア政府はこれまで何度もハイレベル対話を求めてきたことが背景にあると考えられる。

中国は2020年5月、オーストラリア産の大麦に計80.5%の追加関税を課すことを決定。これを受けてオーストラリアは同年12月、当該措置についてWTOに提訴し(2020年12月17日記事参照)、2021年5月にパネルが設置された。また、中国は2021年3月、オーストラリア産ワインに今後5年間で最大218.4%の追加関税を課すことを決定した。オーストラリアは同年6月、当該措置についてもWTOに提訴(2021年6月22日記事参照)、前述のとおりパネルの設置を要請した。

このほかにも、中国はオーストラリアからの石炭輸入を制限したほか、オーストラリアの主要な食肉処理場からの牛肉輸入を停止するなど、中国との通商関係は悪化の一途をたどっている。

中国のCPTPP加入申請を受けて、「オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー(AFR)」紙(電子版9月21日)は、中国の加入申請の意図については不確実でリスクもあると指摘しつつ、「オーストラリアにとって中国との関係をリセットできる絶好の機会だ」との見方を示した。また、オーストラリア国立大学東アジア経済研究所のシロー・アームストロング所長は「中国経済とその軌道は、オーストラリアやアジア各国にとって無視できないほど重要であり、オーストラリア政府はこの貴重な戦略的機会を利用して、高い基準が要求されるCPTPPの経済圏に中国を引き込む必要がある」と述べた(AFR紙電子版9月19日)。

(住裕美)

(オーストラリア、中国)

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