アフリカ大陸の累計感染者数が800万人を突破、新規感染者数は減少
(アフリカ)
中東アフリカ課
2021年09月22日
アフリカ大陸の新型コロナウイルスの累計感染者数が800万人を突破した(9月9日、オックスフォード大学「Our World in Data」)。1日当たりの新規感染者数が3万人を超えるピークが1カ月以上続いた第3波は、9月に入ってようやくピークアウトし、9月22日現在で1万5,000人近くまで下がっている。
感染拡大の中心だった南アフリカ共和国とモロッコの感染者数はともに減少し、それぞれの直近1週間平均の新規感染者数(9月20日現在)は3,328人と2,116人でピーク時の3分の1程度まで減少している。そのほか、日系企業が多く集積する主要国では、1日当たりの新規感染者数は、エチオピアが1,426人、エジプト594人、ケニア388人、ナイジェリア379人となっており、エチオピアとエジプトは過去のピークには及ばないものの増加傾向になっている。
アフリカ大陸全体では、第3波がようやく収束に向かいつつあるといえる状況だが、大陸全体のワクチン接種率が約3%にとどまっていることから、引き続き予断を許さぬ状況だ。世界保健機関(WHO)は9月2日のプレスブリーフィングにおいて、9月末までに人口の10%の接種を目指すとした目標は、8割近い国々で達成されないだろうとの見通しを示した。
南ア政府は、年末年始で感染が再拡大することを危惧し、12月16日までに成人人口の70%に当たる2,800万人の接種を目指すと発表した(2021年9月17日記事参照)。既に中国シノバック製ワクチンの製造を開始しているエジプト政府は、さらにモデルナ製ワクチンの製造に向けた交渉を行っていることを発表した。ワクチン調達を政府が一括して担ってきたケニアでは、保健省の認可付きで民間企業による輸入が解禁となった。コートジボワールは、アフリカで初めて抗原検査キットの生産工場を設立したほか(2021年9月3日記事参照)、国外への渡航者に対して検査証明を厳格化した「衛生パス」を導入するなど、対策を強化している(2021年9月14日記事参照)。
(小林淳平)
(アフリカ)
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