3カ月ぶりに、「調整された警戒レベル2」へ引き下げ

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2021年09月17日

南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は9月12日、新型コロナウイルス対策の進捗にかかる国民演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、新規感染者数の減少を受け、現在の「調整された警告レベル3」から「調整された警戒レベル2」に引き下げることを発表した。6月から急速な感染拡大を引き起こした第3波(2021年6月18日記事参照)に、ようやく収束の兆しが見えてきた。

今回の引き下げにより、9月13日から以下のとおり規制緩和が行われている(詳細は官報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に掲載)。

  • 夜間外出禁止時間を午後11時~翌日午前4時に短縮(これまでは午後10時~翌日午前4時)
  • 屋内では最大250人、屋外では最大500人までの集会を許可(これまでは屋内上限50人、屋外上限100人)
  • レストラン、バー、フィットネスセンターなどの施設は、午後10時まで営業を許可(これまでは午後9時まで)
  • レストランやバーでの酒類提供は、午後10時まで(これまでは午後9時まで)
  • 店頭での酒類販売は、月曜~金曜まで許可(これまでは月曜~木曜)

7月の第2波ピーク時には2万人に迫った国内の新規感染者数は、ついに5,000人を切った(9月15日現在)。18歳以上のワクチン接種が可能になり、1割強の国民が2回の接種を完了した。接種が思うように進んでいないことから、ラマポーザ大統領は「われわれの喫緊の課題は、感染が再拡大する前にワクチン接種を進めることだ」と演説で強調した。政府は、年末年始の時期に第4波が来る可能性を危惧しており、12月中旬までに成人人口の70%に当たる2,800万人の接種を目標としている。

南アフリカでは11月1日に地方自治体選挙が予定されており、主要野党の民主同盟(DA)は、今回の政府の規制緩和について「地方選挙をより良いものにする」と歓迎した。

(堀内千浪)

(南アフリカ共和国)

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