第2四半期の経済成長率は17.6%、商業と製造業の回復が寄与
(コロンビア)
ボゴタ発
2021年08月26日
コロンビア国家統計庁(DANE)は8月17日、2021年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率は前年同期比17.6%だったと発表した(添付資料表参照)。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年は年間の成長率がマイナス6.8%と統計史上最大の落ち込みを記録したが、経済活動再開に伴い2021年第1四半期は1.1%と上向き、ワクチン接種が進んできた第2四半期は2桁成長になった。
産業別にみると、商業が前年同期比40.3%増、製造業が32.5%増で成長を牽引した。商業の中では、特に宿泊・フードサービス(2.6倍)が大幅に伸びた。製造業の中では、石油精製製品(32.8%増)や金属製品(55.3%増)が成長に寄与したほか、繊維製品(2.2倍)も大幅増となった。
需要項目別では、GDP全体の75%を占める民間最終消費支出は前年同期比25.0%増だった。財・サービス別では、5割超を占めるサービスが27.3%増と伸びたほか、半耐久消費財は2.2倍の大幅増となった。支出目的別では、2020年第1四半期以降大幅なマイナス成長が続いていた輸送(86.1%増)とレストラン・ホテル(89.6%増)がプラスに転じ、回復基調がみられた。
コロンビアでは4月上旬以降、感染の第3波が発生し、首都ボゴタ市では4月10日から夜間外出禁止や商業施設の閉店時間前倒しなどの厳しい措置を取っていたが(2021年4月27日記事参照)、6月8日以降は全ての経済活動が再開された。また、4月28日から続いた街頭抗議活動や道路封鎖は企業活動や市民生活に大打撃を与えたが(2021年6月4日記事参照)、中央労働者団体(CUT)が6月15日にデモの一時停止を発表して以降、経済活動は正常に戻っている。
政府は、ワクチン接種を加速させている。8月22日現在、規定回数の接種が完了した人は1,425万人で、政府が2021年末までに目指す3,500万人の4割を超えた。中央銀行は7月の金融政策会合で、2021年の経済成長率予測を前回(4月)の6.0%から7.5%に引き上げた。消費者心理や企業信頼感指数の改善とワクチン接種の進展が消費と投資の回復をもたらし、内需の拡大に貢献するとみている。
(茗荷谷奏)
(コロンビア)
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