中国輸入博覧会、政策的意義をあらためて強調

(中国)

中国北アジア課

2021年08月02日

100日後に開催が迫る「第4回中国国際輸入博覧会(CIIE)」(会期:2021年11月5~10日)の主催者側の中国国際輸入博覧局や上海市商務委員会などは7月26日、準備状況を報告した。

CIIEは、2017年5月に北京市で開催された「一帯一路」国際協力サミットフォーラムで習近平国家主席が基調講演の中で実施を発表した。2018年以降、CIIEは毎年11月に上海市で開催され、輸入をテーマとする国家レベルの展示会としては世界最大規模になる。

中国国際輸入博覧局の孫成海副局長は「今年は中国共産党成立100周年、また、第14次5カ年規画(2021~2025年)の始まりの年でもある。CIIEを成功させることは特に重要な意義を持つ」と述べた。3月に発表された中国政府の発展方針を示した「第14次5カ年規画と2035年までの長期目標綱要案」の第13章「国内国際の双循環の促進」では、輸入関税や制度面でコストを引き下げ、品質の優れた消費品、先進技術、重要設備などの輸入を拡大し、多元化を促進するといった方針が示されている。

出展面積は目標超え、国家館はデジタル展示で復活

今回のCIIEは前回に続き、(1)食品と農産品、(2)自動車、(3)技術設備、(4)消費品、(5)医療機器と医薬保健、(6)サービス貿易の6つの展示エリアで構成される。また、グリーン低炭素発展の理念に基づき、新エネルギー低炭素や環境保護技術、スマート交通、バイオ医薬、スマートエコ家電などの専門展示エリアも設置される。出展契約面積は当初目標の36万平方メートルを上回った。

出展企業数は発表されなかったが、主催者側によると、フォーチュン「世界トップ企業500」にランクインするグローバル企業や業界をリードする企業の出展が前回を上回り、リピーター出展も80%を超えたという。中小企業などをまとめて出展する国や地域のパビリオンについては、日本、デンマーク、ポーランド、ニュージーランドの展示スペースが前回を上回ったと公表した。

また、国や地域のナショナルパビリオン(国家館)について、前回は新型コロナウイルスの影響で設置されなかったが、今回はオンライン上でデジタル展示スペースを設けるかたちで対応する。仮想現実(VR)や3Dモデリングなどの技術を活用し、国・地域別の特色を出していく。主催者側によると、既に50以上の国・地域の出展が予定されている。

新型コロナウイルス感染の予防対策として、主催者側は1つの展示会に1つの方針を設ける「一展一策」を打ち出し、CIIE専用の対策を策定するとした。会場となる国家会展中心では、2021年に入って既に31の展示会を開催、これまでの運営で培ってきた感染予防対策を生かした取り組みが期待される。

ジェトロは初回のCIIEから3年連続で日本企業をまとめ、ジャパン・パビリオンとして出展している(2020年11月6日記事参照)。今回も食品や医療機器・医薬保健などの分野で企業をまとめ出展する予定(注)。

(注)出展募集(食品分野医療機器・医薬保健分野)は既に終了している。

(方越)

(中国)

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