新興EVメーカーNIO、ノルウェー向けにEV初輸出

(中国)

上海発

2021年07月28日

中国の新興電気自動車(EV)メーカーの上海蔚来汽車(NIO)は7月20日、スポーツ用多目的車(SUV)タイプのEV「ES8」をノルウェー向けに初めて輸出した。同社は2014年に中国自動車情報サイト「易車」創設者の李斌氏が安徽省合肥市に設立した会社で、江淮汽車の合肥工場に自動車を生産委託している。

今回輸出した車種は欧州の型式認証を取得したもので、2020年も中国のスタートアップEVメーカー愛馳汽車が欧州の型式認証を取得してフランスにEVを輸出するなど、中国の新興EV各社の性能は欧州の型式認証制度に適合した水準になりつつある(2020年6月3日記事参照)。

NIOは5月にノルウェー向けのEV輸出と同国での販売・サービスネットワーク構築を行うと発表しており、今回が同国向けの初輸出で、2022年末までにバッテリー交換ステーションをノルウェー内5主要都市と高速道路に整備するとしている。

また、大手EVメーカーのBYDも6月7日、SUVタイプのEV「唐」100台を上海からノルウェー向けに輸出した。BYDは2021年内に1,500台の「唐」をノルウェーに輸出するとしている。

ノルウェーはEVと燃料電池車を購入する場合には関連の税金を免除するなど手厚く優遇し、2020年の乗用車の新車登録台数のうち、EVが占める割合が5割を超えるなど、EV導入が加速している(2021年1月19日記事参照)。欧州各国が新型コロナウイルスの影響を受けた景気刺激策としてEV購入補助を行う中、こうした需要を取り込もうとする中国メーカーのEVが欧州市場で受け入れられるか注目される。

(高橋大輔)

(中国)

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