ドイツ自動車産業連合会、欧州各国の公共充電インフラのランキングを発表

(欧州、ドイツ)

ミュンヘン発

2021年07月12日

ドイツ自動車産業連合会(VDA)は6月28日、欧州各国の電気自動車(EV)向け公共充電施設の数と、公共充電施設1カ所当たりの登録乗用車台数を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

EU加盟国および英国、アイスランド、ノルウェー、スイスの31カ国における公共充電施設は、2021年第1四半期の時点で合計32万1,074カ所となった(添付資料表参照)。国別にみると、オランダが8万2,263カ所で最多だった。これに、ドイツ(4万7,076カ所)、フランス(4万5,990カ所)、英国(3万3,832カ所)が続いた。

一方、公共充電施設1カ所当たりの登録乗用車数(ガソリン車なども含めた全ての乗用車)をみると、オランダが109台でもっとも少なかった。ガソリン車なども含んだ計算になるものの、傾向としては公共充電施設1カ所当たりの登録乗用車数が少ないほど、公共充電施設数が充実していることになる。オランダに続き、ノルウェー(147台)、スウェーデン(353台)、ルクセンブルク(377台)という順番になった。ドイツは1,014台で、欧州平均(887台)を上回った。

VDAのヒルデガルド・ミュラー会長は今回の発表に際し、「欧州委員会が新車登録を認めるのは将来的にEVのみとする意向ならば、欧州委員会は欧州全体での充電インフラ整備を考慮しなければならない」とコメントした。

EVのさらなる普及のために充電インフラの整備が必要という点は、ドイツでも指摘されている。連邦政府は、(1)国内1,000カ所に急速充電施設を整備する急速充電整備法の制定(2021年6月7日記事参照)、(2)私用EV充電設備設置の際の900ユーロの助成(2021年5月24日記事参照)、(3)小売業・レストランなどでのEV用公共充電施設の設置助成(2021年4月9日記事参照)など、支援策を矢継ぎ早に打ち出している。産業界でも、連邦電気自動車協会(BEM)が7月1日、公共充電施設の不足の解消などの協議のため、「充電インフラ特別委員会」の設立を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますするなど、動きが進んでいる。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(欧州、ドイツ)

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