エアコンの普及が加速、2020年家計生活水準調査結果を発表

(ベトナム)

アジア大洋州課

2021年07月15日

ベトナム統計総局は7月6日、2020年版家計生活水準調査の結果をホームページで発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。この発表では、統計総局が事前に公表していた速報(2021年6月8日記事参照)では不明だった耐久消費財ごとの保有台数が明らかになった(添付資料表1参照)。

家電の保有台数(100世帯当たり、以下同)をみると、エアコンが2018年の前回調査(2020年5月21日記事参照)と比べ15.3台増の51.0台となった。前回の増加台数(10.4台増)を上回り、普及が加速した。中でも、中間層(グループ3、注)での増加が22.2台増と目立った。洗濯機は9.6台増の54.3台、冷蔵庫は6.8台増の85.4台だった。洗濯機は中間層から下位中間層、冷蔵庫は下位中間層から低所得層での増加が目立った。これらと対照的に、テレビは4.8台減の96.1台となり、平均で1世帯に1台の水準となる100台を割り込んだ。高所得層で14.4台減と大きく減少した。

自動車は1.5台増の4.8台と、依然として普及が進んでいないが、高所得層では2.4台増の12.7台となった。二輪車は前回調査で12.5台増と増加が目立ったが、今回は5.6台増と伸びが鈍化した。しかし、下位中間層、低所得層では、それぞれ13.2台増、14.5台増と2桁増を維持した。

また今回、1人当たり月間平均所得が速報値から修正され、2020年の1人当たりの月間平均所得は2019年比で約1%減の425万ドン(約184ドル、注2)となった(添付資料表2参照)。

このほかの主な調査結果は以下のとおり(断りのない限り、2020年の数字)。

  1. 1人当り月間平均支出額:289万ドン(約125ドル、2018年比13%増)
  2. 過去12カ月間の就学者1人当たりの教育費:708万ドン(約306ドル、2018年比約7%増、うち学校外での学習費は17.5%)
  3. ジニ係数:0.375(2019年0.423、2018年0.425、2016年0.431)
  4. 1世帯当たり平均人員:3.6人(低所得層3.9人、高所得層3.1人)
  5. 1週間当たりの平均労働時間:36.9時間(高所得層は43.5時間)
  6. 1人当たりの平均住宅面積:25.3平方メートル(2010年は17.9平方メートル)
  7. 電気を使用している世帯の割合:99.5%(2010年は97.2%)
  8. 衛生的な飲料水を確保できている世帯の割合:97.4%(2010年は90.5%)
  9. トイレを使用している世帯の割合:94.0%(2010年は75.7%)
  10. 健康保険の加入率(医療費の免除を受けている人を含む):90.4%

(注1)1人当たり月間平均所得が下位20%の層をグループ1として、その後、20%ごとにグループ5まで区分したもの。本稿では、グループ1を低所得層、グループ2を下位中間層、グループ3を中間層、グループ4を上位中間層、グループ5を富裕層とする。それぞれの階層の平均所得は添付資料表2参照。

(注2)IMFデータを基に、2020年末の為替レート1ドル=2万3,131ドンを用いてドルに換算。

(北嶋誠士)

(ベトナム)

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