2018年版ベトナム家計生活水準調査結果を公表

(ベトナム)

アジア大洋州課

2020年05月21日

ベトナム統計総局はこのほど、2018年版ベトナム家計生活水準調査報告書(注)をホームページ上で公開外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同調査は、ベトナムの生活水準の継続的な把握を目的に、2002年から行われているが、報告書はこれまで偶数年のものが公開されている。2018年の調査は、全国4万6,995世帯を対象に行われ、教育、医療・健康、就労・収入、支出、住居、耐久財、貧困削減など幅広い項目をカバーしている。

1人当たり月間平均所得は高所得層でハノイ市がホーチミン市を上回る

報告書によると、ベトナムの1人当たり月間平均所得は添付資料表1のとおり。2018年は387万ドン(約170ドル、注1)と、2016年比で25.1%増加、2016年~18年の年率換算では11.8%増加した。物価の影響を除いた実質ベースでは、2016~18年は年率換算で8.0%増となり、2014~16年の同6.6%から伸びが加速した。

首都ハノイ市と最大都市のホーチミン市を比べると、全体平均では、ホーチミン市が635万ドン(約278ドル)と、ハノイ市の590万ドン(約259ドル)を上回った。しかし、所得階層別(注2)にみると、高所得層(グループ5)ではハノイ市がホーチミン市を逆転した。さらに、1世帯当たりで試算(注3)すると、ここでも、ハノイ市が平均2,242万ドン(約982ドル)と、ホーチミン市の2,223万ドン(約974ドル)を僅かながら上回った。

家電や二輪車の普及が進む

所得の上昇により、耐久消費財の普及が着実に進んだ。添付資料表2は100世帯当たりの耐久消費材の普及台数を所得階層別にみたものだ。家電製品についてみると、エアコンは中間層(グループ3)以上で普及が拡大中であり、特に上位中間層(グループ4)では24.6台も伸びた。冷蔵庫は上位2つの層では既に1世帯に1台に近づいているが、中間層(グループ3)から以下の層で普及段階にさしかかっている。これらとは対照的に、洗濯機は、下位中間層(グループ2)から高所得層(グループ5)まで幅広い層で普及台数が10台前後増加した。

二輪車は全体平均で既に1世帯当たり1.5台の水準に到達しているが、それでも全ての所得階層で2桁の増加がみられた。他方、自動車は全体的に普及が進んでいないが、高所得層(グループ5)では徐々に普及が進んできており、2018年は10台を超えた。

(注1)IMFデータより、18年末の為替レート1ドル=22,825ドンを用いて換算。以下同様。

(注2)下位20%の低所得階層をグループ1として、その後、20%ごとにグループ2からグループ5まで区分したもの。

(注3)1世帯当たりの構成人数(ハノイ市3.8人、ホーチミン市3.5人)を1人当たり月間平均所得に単純に乗じて試算。

(北嶋誠士)

(ベトナム)

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