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米財務省、2020年のCFIUS年次報告書を公表、簡易的申告件数が増加

(米国)

ニューヨーク発

2021年07月28日

米国財務省は7月26日、対米外国投資委員会(CFIUS)の活動に関する2020年の年次報告書を公表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。

CFIUSは、外国から米国への投資が安全保障に脅威をもたらすかどうかを審査する省庁横断の委員会だ。投資案件の種類によってはCFIUSへの事前の申請が義務になっている場合もあるが、それ以外は任意の申請となっている。ただし、申請のない案件でも、CFIUSが事後的な調査に基づき、案件を審査する場合もある。2020年の報告書で明らかになった傾向としては、申請の種類のうち、一定の審査期間を要する届け出(notice)が187件と前年比で44件減った一方、簡易的な申告(declaration)が32件増の126件となった点が挙げられる。

CFIUSの機能や審査対象とすべき案件の範囲は、2018年に成立した「外国投資リスク審査現代化法(FIRRMA)」で拡大された(注)。また、申請の種類として、従来の届け出に加えて、簡易的な申告が新たに加わった。これは、申請者が投資案件の概要を原則5ページ以内にまとめて提出し、CFIUSは受理してから30日以内に審査を終え、申請者に対して追加の行動の要否を伝えるプロセスとなる。その結果、CFIUSから従来の届け出のプロセスを経ることを求められる場合もある一方で、追加の情報提出などが求められず手続き完了が通知された場合は、事実上、取引が承認されたことになる。よって、一般的に、安全保障上の懸念が低いとみられる案件において、行政手続き面での負担を軽減できるプロセスと捉えられている。簡易的な申告が設けられた2018年以降の3カ年の国・地域別申請件数をみると、日本が最多の37件で、続いてカナダが34件、英国が24件といずれも米国の同盟国が並んでいる。他方、フルスクリーニングのプロセスである届け出については、同期間中、中国が最多の97件で、続いて日本が96件、カナダが63件となっている。

今回の報告書のその他の特徴として、未申請案件に関する項が新たに設けられている点が挙げられる。報告書によると、CFIUSは2020年に117件の未申請案件を精査し、そのうち17件に対して届け出を行うよう求めたとされている。CFIUSは未申請案件の特定作業を改善する方法として、関連省庁の担当者の訓練や、財務省が設けている、懸念のある案件を通報するための窓口の認知度向上を挙げている。

(注)FIRRMAの概要については調査レポート「対米外国投資委員会(CFIUS)および2018年外国投資リスク審査現代化法(FIRRMA)に関する報告書」を参照。FIRRMAの最終規則とその後の変更については2020年9月18日記事参照

(磯部真一)

(米国)

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