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米政府、対米直接投資で申告を義務化する取引の要件変更について最終規則を公表

(米国)

ニューヨーク発

2020年09月18日

米財務省は9月15日、2月に施行した「外国投資リスク審査現代化法(FIRRMA)」(2020年2月20日記事参照)に関して、対米外国投資委員会(CFIUS)への事前申告を義務とする取引要件を変更する最終規則を官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで公表した。新規則は10月15日から有効となる。

財務省は今回の規則変更に関して、2020年5月に規則案を公表しており、パブリックコメントを募集していた(2020年6月2日記事参照)。最終規則は5月発表の規則案を踏襲した内容で、大きな変更はない。概要は財務省のファクトシートPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に記載があり、次のとおりとなる。

従来は、(1)「重要技術」(注1)を生産、設計、試験、製造、組み立て、開発する米国事業への投資であり、(2)当該重要技術が北米産業分類システム(NAICS)上で指定された27分野(注2)に関連する場合に、CFIUSへの事前申告を義務としていた。しかし、(2)の要件については、必ずしも米国の安全保障上のリスクとならない取引も含まれ得るため、投資家や産業界から不満が上がっていた。そこで、(2)については、NAICSの要件を撤廃し、当該重要技術を特定の取引関係者(certain transaction parties)および当該米国事業の所有主体と連鎖関係の外国人(foreign persons in the ownership chain)に輸出、再輸出、国内移転、再移転(輸出など)する際に米政府からの許可が必要な場合、に変更することとなった。

すなわち、投資対象の米国事業が扱う重要技術を輸出などする場合に、(1)国務省管轄の国際武器取引規則(ITAR)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、(2)商務省管轄の輸出管理規則(EAR)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、(3)エネルギー省管轄の外国の原子力活動への支援にかかる許認可(連邦規則集〔CFR〕Title10 Part810外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、ただしPart 810.6(a)既定の一般許可は除く)、(4)原子力規制委員会による許認可(CFR Title10 Part110外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)のいずれかの輸出管理法令に基づき、米政府から許可が必要かをまず確認する必要がある。かつ、輸出などをする相手が、CFIUSの審査対象取引(注4)に関与する外国人で、次に該当する場合にはCFIUSへの事前申告が義務となる。(1)当該取引により重要技術、重要インフラ、機微な情報(TID:Technology, Infrastructure and Data)を扱う米国事業を直接支配できる、(2)審査対象となるTIDを扱う米国事業への投資を構成する持ち分を直接取得している、(3)TIDを扱う米国事業へ直接投資をしており、当該米国事業に対する権利に変化が起き、その結果、審査対象の取引・投資となる、(4)TIDを扱う米国事業に関してFIRRMAの適用を回避、または迂回しようとして行う取引などに関与している、(5)上記の(1)~(4)に該当する外国主体の議決権を直接、間接問わず25%以上保有している。財務省は規則変更に伴い、どのようなケースで申告が義務となるかに関して3つの例を追加している(添付資料参照)。

変更後の規則が有効となる10月15日以降に、上記要件に該当する取引を行う場合は、取引が完了する30日前までにCFIUSに申告(declaration)することが求められる。また、申告の代わりに、CFIUSに取引全体の正式な審査を求める通知(notice)の形態をとってもよいとされている(注5)。義務に違反した場合は、取引額を上限とする民事上の罰金が科される可能性がある。

(注1)重要技術の定義は、米連邦規則集(CFR)Title 31 Part 800.215外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに記載されている。

(注2)27分野はCFR Title 31 Part 800Appendix B外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに記載されている。

(注3)外国人(foreign person)には、いかなる外国籍の個人(foreign national)、外国政府(foreign government)、外国の法人(foreign entity)が含まれる。詳細な定義はCFR Title 31 Part 800.224PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。

(注4)CFIUSの審査対象となる取引などは、CFR Title 31 Part 800.210~213PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に記載されている。

(注5)ただし、審査を求める通知(notice)の場合は、申請料金がかかる。詳細はCFIUSの申請料金に関するページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。一方、申告(declaration)は通知に基づき行われる正式な審査(最大105日間)に比べて簡略的なもので、CFIUSが30日以内に判断を下すとされている。申告は任意で行うことも可能。

(磯部真一)

(米国)

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