アフリカ大陸、感染加速し累計感染者数が600万人を突破

(アフリカ)

中東アフリカ課

2021年07月20日

アフリカ大陸の新型コロナウイルスの累計感染者数が600万人を突破した(7月13日、オックスフォード大学「Our World in Data」)。400万人から500万人に達するのに3カ月ほどかかったものが(2021年6月23日記事参照)、今回は100万人増加するのに1カ月余りと、感染拡大のスピードは3倍になっている。また、1日当たりの新規感染者数についても、第1波(2020年7月、約1万8,000人)、第2波(2021年1月、約3万3,000人)を上回り、現在の第3波のピークは1日当たり感染者数が約4万2,000人に達するなど、これまでで最も大きな感染の波がアフリカを襲っている。

国別の直近1週間平均の新規感染者数(7月17日現在)をみると、南アフリカ共和国が最多で1万4,940人、次にチュニジア(7,111人)、続いてリビア(2,314人)、ジンバブエ(2,251人)、モロッコ(2,011人)の順で、これらの国々が大陸全体の新規感染者数の7割を占めている。全体の4割近くを占める南アでは、政府は調整された警戒レベル4を再び延長(2021年7月13日記事参照)。チュニジアでも、イベントやビジネスを規制するなどの感染対策を講じるなどして、両国ともにピークを超えたようにもみえるが、いまだ予断を許さない状況だ。

世界保健機関(WHO)は、アフリカで入院患者数が急増し、医療用酸素や集中治療室が不足しており、7月11日までの死者数が、過去1週間で4,384人から6,273人と前の週から43%増加したと報告した。アフリカ大陸における死亡率は2.6%と世界の2.2%をやや上回っており、マツィディソ・モエティWHOアフリカ地域事務局長は「過去5週間にわたって死亡者が増加していて、感染拡大する国では重症患者の医療体制が崩壊する可能性がある」とし、医療用酸素の生産拡大を最優先課題と訴えた。

(小林淳平)

(アフリカ)

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