スタートアップ法を公布、ビジネス環境改善へ一歩前進

(ブラジル)

サンパウロ発

2021年06月21日

ブラジルで6月2日、補完法(PLP)182号(通称:スタートアップ法)が公布された。8月31日から施行される。同法により、スタートアップ企業や革新的な起業、個人投資家による起業家への資金提供などに法的根拠が与えられることになる。同法は、下院議会と連邦政府が提出したPLP146号とPLP249号(2020年11月30日記事参照)に基づき作成された。

同法で扱うスタートアップ企業の定義は、前年の売り上げが1,600万レアル(約3億5,200万円、1レアル=約22円)未満、企業設立10年以下、ビジネスモデルの革新性を定款などで満たしている企業。また、エンジェル投資家は投資先のスタートアップ企業の議決権を有しないものとして、スタートアップ企業の債務責任を原則負わないことが認められる。

個人投資家への税制インセンティブを含む条項(第7条)は、大統領の拒否権で削除された。削除の主な理由としては、税制恩典の供与による政府の財政支出額を正確に見積もれないことが挙げられている。

ブラジルでは近年、スタートアップ企業の台頭が目覚ましい。同法の施行により限定的ではあるものの、スタートアップ企業を取り巻くビジネス環境は一歩前進した。今後さらなる改善も期待される。

ジェトロがブラジルのスタートアップ企業に投資実績のあるブラジル・ベンチャー・キャピタル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(BVC)の中山充代表にインタビューしたところ、「この法律は特にエンジェル投資家によるブラジルのスタートアップ投資がこれまで以上に活発になる施策。ファイナンス目的に集中した投資が可能になり、これまで問題だった投資に伴う企業の債務やガバナンスのリスクが排除できることになる」との回答を得た。

なお、ジェトロは日系スタートアップ企業のビジネス展開を支援するグローバル・アクセラレーション・ハブ、日本企業のオープンイノベーション活動をサポートするオープンイノベーションに係るブリーフィングを提供している。また、2021年3月に「ブラジルにおけるスタートアップ・エコシステム調査PDFファイル(1.9MB)」レポートも公開した。

(古木勇生、エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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