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政府が水素関連プロジェクトに総額80億ユーロを助成予定

(ドイツ)

ミュンヘン発

2021年06月10日

ドイツの経済・エネルギー省と交通・デジタルインフラ省は5月28日、国内62件の水素関連プロジェクトに対し、総額80億ユーロ以上を助成する予定であることを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

EU加盟27カ国のうちドイツを含む22カ国とノルウェーは2020年12月、「欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」の枠組みで水素バリューチェーンの推進や水素関連技術開発への助成を行うことを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしていた。今回発表の助成はIPCEIの枠組みの中で行う。EUでは、域内の競争条件をゆがめる恐れのある国家補助は原則として禁止しているが、EU域内の経済成長と雇用、産業の競争力強化に資するなどの条件を満たす場合は、IPCEIによる個別企業への助成を認める。これまでに、次世代電池サプライチェーンの構築(2019年12月10日記事2021年1月28日記事参照)や、マイクロエレクトロニクス技術分野(2020年10月19日記事参照)でIPCEIによる助成が認められた。経済・エネルギー省は、今回の水素関連プロジェクトは2021年中に欧州委員会の承認を得たいとしている。

今回のプロジェクトの助成額合計は80億ユーロ以上。同省が約44億ユーロ、交通・デジタルインフラ省が最大14億ユーロを助成し、州政府も助成に参加する。経済・エネルギー省によると、プロジェクト総額は参加する民間企業の投資額も含めると330億ユーロに及ぶ。230件以上の応募プロジェクトから62件が選ばれた。

62件のプロジェクトは、(1)水素製造(19件)、(2)水素インフラ整備(15件)、(3)産業における水素利用(16件)、(4)交通・運輸における水素利用(12件)から成る。水素製造には、三菱重工業が参画する北部ドイツの水素製造プロジェクト(2021年2月2日記事参照)などが含まれる。産業利用では、ザルツギッターやティッセンクルップなどの鉄鋼や化学のプロジェクトが中心。交通・運輸では、ダイムラーのトラック部門や燃料電池の開発・製造のセルセントリック(2021年5月17日記事参照)、BMWのプロジェクトなどが選ばれた。加えて、航空・海運・港湾関連のプロジェクトも含まれる。62件のプロジェクト名、実施場所、参画企業は、経済省のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

なお、連邦政府は2020年6月に採択した「国家水素戦略」(2020年9月9日付地域・分析レポート参照)で、将来の水素需要の高まりに対応できるよう、2030年までに水素電解プラントを5ギガワット(GW)規模まで拡大する目標を掲げている。経済・エネルギー省によると、今回選ばれたグリーン水素(注)を製造する水素製造プロジェクトが想定する生産量を合計すると2GW以上となり、国家目標の約4割を達成できるとしている。

(注)再生可能エネルギー由来の電力を利用して水を電気分解して生成される水素。製造過程で二酸化炭素を排出しない。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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