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欧州委、次世代電池サプライチェーン構築に関わる国家補助を承認

(EU)

ブリュッセル発

2019年12月10日

欧州委員会は12月9日、電池システムの原材料から部品・製品、リサイクルに至るサプライチェーン構築に関わる汎欧州研究開発・イノベーションプロジェクトを対象とするEU加盟7カ国による国家補助(総額:最大32億ユーロ)を承認した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。EUでは、域内の競争条件をゆがめる恐れのある国家補助は原則として禁止されているが、欧州経済振興にかなうなどの条件を満たす場合は認める方針を持つ。同プロジェクトは2031年までに完了の見通しで、ベルギーとフィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランド、スウェーデンの7カ国による公的支援はEUの「欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)に関わるコミュニケーション外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に基づき認められる。

リサイクルまで含め、EU域内企業による次世代電池供給体制の整備急ぐ

欧州委が今回承認した7カ国による国家補助は17のプロジェクト参画企業に対して今後数年間に約32億ユーロを上限に行われる。対象となる研究開発分野ごとの企業(関係国)は表のとおり。

表 補助対象となる企業(関係国)

欧州委としては、7カ国による公的支援(国家補助)に伴い、50億ユーロ相当の追加的な民間投資につながることを期待している。マルグレーテ・ベスタエアー上級副委員長(欧州デジタル化対応総括兼競争政策担当)は「欧州での(EU企業による)電池生産はクリーンな輸送・エネルギーや雇用創出などの観点で(EUの)戦略的利益にかなう」「今回承認された公的支援は、不当な競争条件のゆがみを引き起こすことなく、重要プロジェクトを推進する」などと指摘、競争政策担当の欧州委員としても同プロジェクトの公益性・妥当性を認める姿勢だ。

今回の公的支援対象となる17企業には中小企業も含まれるほか、当該企業の本社所在国など特定国だけを支援するものではない上、直接の支援対象ではない70を超える関係事業者やEU域内の公的研究機関などとの協力の下でプロジェクト展開が進められる。

欧州バッテリー同盟(EBA)(2018年2月27日記事参照)を立ち上げ、欧州での次世代電池供給のためのドイツ・フランス連携(2019年5月8日記事参照)などを仕掛けてきた欧州委のマレシュ・シェフチョビチ副委員長(EU機構関係・将来展望担当)は「強固な産業間連携や研究開発成果の事業化を加速する協調的なアクションなど、21世紀の正しい産業政策の在り方を確立した」とコメント。このプロジェクトの政策的意義を強調した。

欧州委はプロジェクトについて、二酸化炭素の排出や廃棄物の削減に効果があるとともに、「循環型経済」の原則に基づく環境に優しく持続可能な次世代電池の解体・リサイクル・再生にも貢献するとの認識も明らかにした。欧州委はプロジェクトの対象となる電池システムの用途は電気自動車(EV)など輸送機器分野に限定せず、電動工具用電池など輸送機器以外の分野も想定されるとしている。

(前田篤穂)

(EU)

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