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商用トラックの将来の動力源、電気か水素かでメーカーに差異

(ドイツ)

ミュンヘン発

2021年05月17日

ドイツ自動車大手ダイムラーの子会社であるダイムラー・トラックは4月29日、スウェーデンのボルボと3月に設立した燃料電池の開発・製造の合弁会社セルセントリック(cellcentric)の経営戦略を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。合弁会社は両社が50%ずつ資本参加するかたちで、主として長距離輸送用トラック向けの燃料電池システムの開発・製造・販売を手掛ける。2025年に商用生産を開始する予定。

ダイムラー・トラックは、電動トラックと燃料電池トラックが用途によって相互に補完できるとしている。具体的には、荷重が軽く、輸送距離が短ければ電動トラックが適する一方、荷重が重く、長距離輸送の場合は燃料電池トラックが向いているという。ダイムラー・トラックのマルティン・ダウム最高経営責任者(CEO)は「電動トラックと(燃料電池トラックを)組み合わせることで顧客のニーズに応じた最適な選択肢を提供できる。電動トラックだけでは不可能だろう」としている。

写真 セルセントリックの長距離輸送用大型トラック向けの燃料電池システム(ダイムラー提供)

セルセントリックの長距離輸送用大型トラック向けの燃料電池システム(ダイムラー提供)

自動車部品・電動工具メーカーのボッシュも、同じ見方をしている。同社は2021年4月、中国の商用車メーカーの慶鈴汽車と重慶に合弁会社を設立外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、中国市場向けに燃料電池システムを開発・製造・販売する。2021年内にボッシュの燃料電池システムを搭載した慶鈴汽車のトラック70台が公道走行試験を実施、2022年から2023年にかけて商用化を予定する。ボッシュのシュテファン・ハルトゥング取締役は「長距離走行の大型車両には、電動車よりも燃料電池車が明らかに向いている」とコメントした。

他方、フォルクスワーゲン(VW)グループの商用車部門トレイトンは異なる見方を持つ。同社は2021年3月のプレス発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、10億ユーロとしていた2025年までの電動車の研究開発費用を16億ユーロに増額するとした。その際、マティアス・グルンドラーCEOは「トレイトンは電動トラックに集中する」とコメントしている。

同社は、長距離輸送用トラックでは、電動の方が低コストで環境にも優しいとし、その理由として、エネルギー効率が高いことを挙げた。燃料電池トラックはエネルギーの4分の1が動力に利用され、ほかは失われるのに対し、電動トラックは4分の3を動力に利用できるという。燃料電池車も、充填(じゅうてん)に時間がかけられない長距離観光バスと、北ドイツや港湾近くなどの再生可能エネルギー由来の水素を製造・輸入できる地域では一部普及するも、限定的になると見込む。

ドイツの主要メーカーの将来の方向性に対する見方は大きく異なっており、注目される。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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