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加速するワクチン輸出、5月は前月比7割増

(中国)

中国北アジア課

2021年06月30日

ジェトロが各国統計を基に作成されたグローバル・トレード・アトラスに基づき、中国の2021年5月のワクチンの輸出額(注1)を計算したところ、前月から約7割増加し11億1,834万ドルだった。1~5月の累月では、36億1,357万ドルに達した。

中国のワクチン輸出は、2020年12月から顕著に増加傾向にあり、5月には輸出額が10億ドルを突破した(添付資料図参照)。

1~5月(累月)の輸出額を国・地域別にみると、輸出額の多い先には、アジアや中南米などの新興国が目立つ(添付資料表参照)。また、上位10カ国のうち8カ国は、中国政府が提唱する「一帯一路」構想への参画国だ(注2)。

うち、輸出額が最も多いのはインドネシアで5億2,344万ドル(構成比14.5%)だった。インドネシア側の統計で2021年1~4月(累月)の人用ワクチンの輸入額をみると、全体に占める中国のシェアは93.3%(注3)と圧倒的だ。同国における新型コロナウイルスワクチンの接種状況をみても、公的接種では中国の北京科興中維生物技術(シノバック・バイオテック)製に、民間接種では、中国医薬集団(シノファーム)製に頼る状況がうかがえる(ジェトロ「海外主要国・地域のワクチン接種状況(2021年6月7日時点)」参照PDFファイル(0B))。

輸出額が2番目に多いアラブ首長国連邦(UAE)(3億51万ドル、構成比8.3%)では、10月にドバイで万国博覧会を控え、国内での新型コロナウイルスワクチンの接種が急ピッチで進められている。英オックスフォード・マーティン・スクールの「Our World in Data」による、100人当たりの累計ワクチン接種回数は152.4回と主要国でトップだ(2021年6月27日時点)。UAEは2020年12月にシノファーム製ワクチンの使用を認可し、「国家ワクチンプログラム」として国民と居住者への接種を行っている。また、輸入のほか、シノファームの技術協力の下で、アブダビでワクチン生産が既に始まっている(2021年3月30日記事参照)。

中国政府は対外輸出可能なワクチン製品リストを発表

世界保健機関(WHO)は、5月7日にシノファーム北京生物製品研究所のワクチンを、6月1日にシノバック・バイオテック製ワクチンをそれぞれ緊急使用リストに追加した(2021年6月9日記事参照)。

また、中国政府は6月22日、「対外輸出できる新型コロナウイルスワクチン製品リストの公布に関する公告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表。リストに掲載されたワクチンの生産企業が自社で輸出することを支持すると表明した。同リストには、シノファーム北京生物製品研究所、シノファーム武漢生物製品研究所、シノバック・バイオテック、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)が生産した、4種類のワクチンが盛り込まれた。

中国では国内での接種回数が累計12億回に迫る中で(2021年6月27日時点)、今後さらに輸出増加が見込まれる。

(注1)HSコード300220(人用のワクチン)に属するもの。本統計には、新型コロナウイルスワクチン以外の人用ワクチンも含まれるが、増加の推移をみる限り、多くが新型コロナウイルスワクチンと推測される。なお、商務部によれば、中国は6月4日までに累計80カ国以上に新型コロナウイルスのワクチンを無償援助し、40カ国以上に対して3億5,701万株を輸出したとしており(「北京商報」6月8日)、海外への供給量全体は輸出統計上の数値より多いとみられる。

(注2)中国「一帯一路」網で協力文書を締結したと記載のある国を、参加国とここではとらえている。

(注3)2021年6月28日時点で、グローバル・トレード・アトラスで抽出可能なインドネシアの2021年1~4月累計の輸入額から算出した割合。

(小林伶)

(中国)

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