EU理事会、入域制限解除国リストを改定、イスラエルを追加

(EU、EFTA)

ブリュッセル発

2021年05月07日

EU理事会(閣僚理事会)は5月6日、EU加盟国と欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国(注1)以外の国からの不要不急の入域(渡航)制限措置の解除に関する2020年6月30日付理事会勧告(2020年7月1日記事参照)の対象国リストを見直す勧告を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。今回の勧告により、新たにイスラエルを入域制限解除国に追加した。EUは現在、EU理事会が指定した入域制限解除国を除き、域外国からの不要不急の入域の制限を加盟国に求めている(注2)。今後、各加盟国は同勧告に基づき、イスラエルからの不要不急の入国を認めるとみられる。ただし、入域制限解除国からの入域でも、PCR検査の陰性結果証明の提出や自主隔離の実施などの条件(2021年2月3日記事参照)を満たす必要がある。

今回の改定は、日本が対象国リストから除外された1月27日付理事会勧告(2021年1月29日記事参照)以来だ。日本からの入域は現在、原則として必要不可欠な場合のみ引き続き認めている。

また、EU理事会は現在、欧州委員会によるEU域外からの不要不急の入域制限の緩和措置に関する提案(2021年5月6日記事参照)を受け、ワクチン接種者に対する入域制限の撤廃とともに、入域制限解除国の指定基準の緩和を検討している。この提案が承認されれば、入域制限解除国が拡大する見通しだ。

今回の勧告で不要不急の入域制限解除国に指定したのは以下8カ国のみ。

  • オーストラリア
  • イスラエル
  • ニュージーランド
  • ルワンダ
  • シンガポール
  • 韓国
  • タイ
  • 中国(香港、マカオを含む)。ただし、相互主義に基づく措置を取ることが条件。

この対象国リストは今後も各国の疫学的な状況などを考慮して、定期的に見直す予定だ。

(注1)アイルランドを除くEU加盟国と、シェンゲン協定に加盟するアイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタインが勧告の対象。勧告でアンドラ、モナコ、サンマリノ、バチカン市国の居住者はEU居住者と見なされる。

(注2)EU理事会の勧告には法的拘束力はなく、入国管理の権限を持つのは各加盟国。各加盟国はEU理事会の勧告に基づき入国制限を実施している(ジェトロのウェブサイト特集「欧州における新型コロナウイルス対応状況」参照)。

(吉沼啓介)

(EU、EFTA)

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