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EU首脳会議特別会合、気候変動問題では踏み込んだ言及なし

(EU、英国)

ブリュッセル発

2021年05月26日

欧州理事会(EU首脳会議)の特別会合が5月24、25日、ブリュッセルで開催され、気候変動問題や新型コロナウイルスへの対応、EU・英国関係、ベラルーシやロシア、中東、マリの各情勢について協議した。

気候変動については、排出権取引制度(EU-ETS)や炭素国境調整メカニズムなど、2020年12月の欧州理事会で合意した2030年の温室効果ガス削減目標の1990年比で少なくとも55%の削減(2020年12月15日記事参照)を実施する政策について各加盟国が意見を述べた。しかし、会議後に採択した「結論(Conclusions)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」では「各加盟国の環境・経済・社会的影響の検証とともに、速やかに政策パッケージを提案するよう欧州委員会に求める」とするにとどまり、踏み込んだ言及はなかった。今後数週間のうちに発表されることが見込まれる欧州委の提案が提出された後、「適切なタイミング」で再び協議するとした。欧州理事会のシャルル・ミシェル常任議長は会議後の記者会見で「政治的議論は、夏の後、各国首脳が提案を検証した上で行う」との見方を示した。

「デジタルCovid証明書」の合意歓迎

ミシェル常任議長は「新型コロナウイルス」について、ワクチン接種の進展や疫学的状況の改善がみられるとして「慎重な楽観主義」の姿勢を示しつつ、変異株への警戒も引き続き必要とした。EU理事会と欧州議会が「EUデジタルCovid証明書」の法制化に合意したこと(2021年5月24日記事参照)を歓迎し、速やかな実施を求めた。また、6月半ばまでに域内の移動制限を緩和すべく、2月1日のEU理事会勧告(2021年2月3日記事参照)の見直しを理事会に求めた。米国が提案した新型コロナワクチンの特許権放棄については、EUは世界最大のワクチン輸出者であり、世界的なワクチン需要を満たすべく生産能力を高めるとともに、域外国の生産能力改善も支援すると述べるにとどめた。

英国には断固たる姿勢維持

英国に対しては、5月1日のEU・英国間の通商協力協定の正式発効(2021年4月30日記事参照)を歓迎したが、同協定と離脱協定・議定書の完全な履行に関しては厳しい姿勢を示した。EU非加盟国が加盟国と同じ利益を享受することは認められず、英国との関係は常に権利と義務のバランスの上に成り立つべきとし、いかなる状況でもEUの単一市場と関税同盟、意思決定の自律性を損ねることは認めないと強調した。さらに、欧州委に対して、協定上認められるあらゆる手段を利用して、EU市民の権利や漁業、公平な競争条件の確保といった点で協定の完全な履行を追求するよう求めた。

(安田啓)

(EU、英国)

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