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欧州理事会、復興パッケージと2030年温室効果ガス削減目標で合意

(EU)

ブリュッセル発

2020年12月15日

欧州理事会(EU首脳会議)が12月10、11日、ブリュッセルで開催された。焦点となっていた2021~2027年度の中期予算計画(多年度財政枠組み:MFF、以下、次期MFF)と新型コロナウイルス対策の特別予算である復興基金、2050年の気候中立(温室効果ガス排出実質ゼロ)目標を含む規則案「欧州気候法」(2020年10月27日記事参照)における2030年の温室効果ガス削減目標について、政治合意に達したと発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。

次期MFF、2021年1月からの執行開始に向け大きく前進

次期MFFと復興基金は、7月の欧州理事会での大枠の政治合意(2020年7月21日記事参照)を経て、EU理事会(閣僚理事会)と欧州議会でも審議され、11月には両機関で政治合意(2020年11月11日記事参照)していた。しかし、法の支配に関する規定の違反が認められた加盟国への次期MFFと復興基金の執行を一時的に停止するメカニズムの導入に関して、ポーランドとハンガリーが強硬に反対したことから、正式な成立が遅れていた。今回の合意により、次期MFFの年内成立にめどが立ったことになり、次期MFFの2021年1月からの執行に弾みがついたかたちだ。ただし、復興基金の成立には、EUの独自財源に関する決定の改正のため、全加盟国での批准手続きを経る必要があることから、その執行開始は2021年下半期になるとみられる。

なお、今回の合意では、11月に政治合意した上記メカニズムの導入規則案への修正はされないものの、ポーランドとハンガリーに配慮し、同メカニズムの対象や条件を明確にしたガイドラインを作成するほか、両国が同規則案の適法性に関してEU司法裁判所へ付託した場合に、その判断を待った上で運用を開始するとした。ただし、同メカニズムの運用開始後は、2021年1月にさかのぼって適用される。

2030年の温室効果ガス削減目標は55%で合意

2030年の温室効果ガス削減目標に関しては、1990年比で「少なくとも55%」の削減で政治合意した。これは、法的拘束力を持つEU全体としての削減目標となる。また、次期MFFと復興基金の最低でも30%は気候変動対策に充てることをあらためて確認し、今後の関連法案に反映するとした。さらに、石炭などに依存する中・東欧の加盟国の反発を考慮し、化石燃料からの移行期間の技術として天然ガスの利用など、加盟国ごとのエネルギーミックスの決定権を尊重することや、排出量取引制度(ETS)の排出枠の配分で、こうした加盟国の事情に配慮することなどを盛り込んだ。欧州気候法は今後、EU理事会と欧州議会で審議される。

写真 復興パッケージ「次世代のEU」に関する欧州委員会のバナー(ジェトロ撮影)

復興パッケージ「次世代のEU」に関する欧州委員会のバナー(ジェトロ撮影)

(吉沼啓介)

(EU)

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