タイ政府が新たな景気刺激策を決定

(タイ)

バンコク発

2021年05月11日

タイ政府は5月5日、新型コロナウイルス第3波の影響を受ける者に対する支援策や個人消費刺激策の大枠を閣議決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。詳細については実施部局から公表される。

主なポイントは以下のとおり。

(1)一般国民や自営業者、農業従事者などに対し、政府貯蓄銀行、農業・農協銀行などの金融機関が低利融資を実施。貸付限度枠は1万バーツ(約3万5,000円、1バーツ=約3.5円)、金利は月0.35%(元利据え置き6カ月)、貸付期間は最長で3年間。また、場合によっては、既存の債務についても返済を猶予するなどの支援も行う。返済の猶予期間は12月31日まで。

(2)2021年5月および6月の電気料金および水道料金の補助。

(3)個人消費支援・刺激策

  1. 福祉カードを所持する低所得者などに対し、現金給金額を月200バーツ上乗せする。期間は7月から12月まで。
  2. 「ラオ・チャナ(タイ語で『私たちは勝つ』の意)」(2021年1月20日記事参照
  3. 「コン・ラ・クルン(タイ語で『半分ずつ」の意)」(2020年12月16日記事参照)の継続とともに、新たな消費刺激策「インチャイ・インダイ(タイ語で『使えば使うほど手に入る』の意」を実施。「インチャイ・インダイ」は、中・高所得者向けの消費刺激策。付加価値税の登録をしている店舗において、飲食または製品を政府の電子マネーアプリ(パオ・タン)を使用して購入することが制度利用の条件。実施期間は7月から12月まで。詳細は追って公表される。

地元紙によると、購入金額1バーツから4万バーツまでは10%、4万1バーツから6万バーツまでは15%のEバウチャーが購入者に配布される。

また、タイのバンコク首都庁(BMA)は5月7日、施設閉鎖指令第27号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した。先に出した公示25号および公示26号の閉鎖措置や店内飲食の禁止措置(2021年5月6日記事参照)などを、5月17日まで延長する。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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