5月10日以降の新型コロナ警戒信号の色を発表、首都メキシコ市が黄色に

(メキシコ)

メキシコ発

2021年05月10日

メキシコ連邦保健省は5月7日、5月10日以降に適用される各州の新型コロナウイルス感染警戒信号(2020年5月15日記事6月2日記事6月15日記事8月31日記事参照)の色を発表した。全国32州のうち、3州がオレンジ、15州が黄色、14州が緑となり、オレンジが3州、黄色が5州減り、緑が8州増えた。今回、信号が後退した州はなく、南バハカリフォルニア州、メキシコ市、イダルゴ州がオレンジから黄色、ドゥランゴ州、ナヤリ州、ヌエボレオン州、オアハカ州、サンルイスポトシ州、シナロア州、ソノラ州、トラスカラ州が黄色から緑に好転した(添付資料表参照)。進出日系企業が多い州では、チワワ州がオレンジ、アグアスカリエンテス州、バハカリフォルニア州、メキシコ市、メキシコ州、ケレタロ州、タマウリパス州、サカテカス州が黄色、コアウイラ州、グアナファト州、ハリスコ州、ヌエボレオン州、サンルイスポトシ州が緑となる。

首都メキシコ市は、信号制度導入以降、初めて黄色に好転した。これに伴い、5月10日から段階的に、銀行、映画館、ホテル、スポーツイベント会場、ボーリング場、ビリヤード場、カジノ、アミューズメントパーク、劇場、コンサートホール、子供用パーティースペース、展示場などの操業規制が緩和される。ホテル内のイベントが50人の収容人数制限(9平方メートルに1人の間隔確保が必要)で解禁されるため、セミナーなどのイベントはこの規模であれば実施可能となる。

50~59歳の年齢層のワクチン接種が進む

60歳以上の高齢者に対するワクチン接種がおおむね一巡したため、5月3日以降、50~59歳の年齢層に対するワクチン接種が始まっている。また、校舎における学校教育再開に向け、教育関係者に向けたワクチン接種も4月20日から開始されている。

連邦保健省によると、メキシコは5月7日までに2,709万3,685回分のワクチンを製薬会社から受領しており、そのうち1,066万65回分が米国ファイザー、466万4,500回分が英国アストラゼネカ、600万回分が中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)、190万回分がロシア国立ガマレヤ研究所、386万9,120回分が中国の康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス、国内でパッキング)となっている。5月6日午後9時時点で受領分の75.8%に相当する2,054万830回分を接種済み。接種対象者としては、医療関係者が104万4,020人、教育関係者が123万3,460人、60歳以上の高齢者が1,069万2,415人、50~59歳の年齢層が74万5,264人、合計で1,371万5,159人(人口比10.9%)だ。教育関係者に対するワクチン接種(1回で済むカンシノのワクチンを使用)は11州で完了、6州で進行中、残り15州はこれから予定されている。現時点で、校舎における教育を再開しているのはカンペチェ州のみだが、コアウイラ州が5月17日、ベラクルス州が5月24日から段階的に学校教育を再開する計画だ。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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