ロシア製新型コロナワクチンの生産国が増加

(ロシア)

モスクワ発

2021年05月07日

ロシア製の新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」の生産を行う国が増えている。2021年2月にカザフスタンで量産が開始されて以降、4月にはセルビアとアルゼンチンでロシアからの技術移転による試験生産が始まった。セルビアでは5月に、アルゼンチン(2021年4月23日記事参照)では6月に本格的な製造開始が予定されている。

「スプートニクV」の開発に投資する政府系ファンドのロシア直接投資基金(RDIF)は2021年3月以降、セルビア、中国、インド、韓国、アルゼンチン、エジプト、トルコの製薬会社や研究所とワクチンの製造について合意しており、総数は10件以上に上っている(添付資料表参照)。加えて、「スプートニクV」を開発した国立ガマレヤ研究所とRDIFは4月28日にツイッターを通じて、5月にはメキシコで生産を開始するとの見通しを発表した。

全世界的にワクチンの獲得競争が過熱する中、ロシアのワクチン輸出が急増している(2021年4月23日記事参照)。「スプートニクV」は4月30日時点でロシアを除く63カ国・地域(注)で承認されている。

(注)日本政府が承認していないパレスチナとスルプスカ共和国(ボスニア・ヘルツェゴビナの一地域)を含む。

(梅津哲也)

(ロシア)

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