6月から新型コロナワクチンの国内生産に期待

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年04月23日

アルゼンチン保健省は4月20日、ロシア国立ガマレヤ研究所が開発した新型コロナワクチン「スプートニクV」がアルゼンチン国内で初めて試験的に製造され、品質検査のために同研究所に送られたと発表した。品質検査の結果が「合格」ならば、6月から国内で本格的な生産を開始する予定だ。

今回の取り組みは、地場製薬会社ラボラトリオス・リッチモンドとロシア直接投資基金(RDIF)が2月26日に締結した覚書の一環だ(2021年3月2日記事参照)。同社とRDIFの4月20日の共同発表によると、アルゼンチンで製造するワクチンは「スプートニクV.I.D.A(ビダ)」(注1)と命名する予定。ワクチン生産計画は、ロシアからワクチンの有効成分をまず輸入し、その後の製造工程とパッケージングをアルゼンチン国内で行う第1段階が行われる。第2段階として、有効成分の製造からパッケージングまで全ての工程を国内で行う。同社がブエノスアイレス州ピラール市に保有する工場では、順調に進めば5月に100万回接種分、6月には500万回分のワクチン製造を計画している。新型コロナワクチンの国内生産が実現すれば、中南米諸国への輸出も視野に入れる。

アルゼンチンのセシリア・ニコリーニ大統領顧問は「2万1,000回接種分のワクチンが製造され、その一部が現在、ロシアによる品質検査を受けている段階。結果は2、3週間後に判明する」と述べ、「不合格でも失敗を意味するものではなく、適切な品質に到達するまでやり直すことはこのような製品では必要なプロセスで、慎重であるべきだ」と強調した。

現在、国内で接種しているワクチンは、ロシアの「スプートニクV」と中国のシノファームの不活化ワクチン、英国アストラゼネカ製ワクチン(注2)。4月22日時点で1回目の接種を受けたのは585万1,232人、2回目接種済みは84万2,206人と保健省が報告している。4月に入って急速な感染拡大が確認され(2021年4月19日記事参照)、21日には累計死者数が6万人を超えたことから、ワクチン確保と接種加速が重要な課題となっている。

(注1)「アルゼンチンの発展のための予防ワクチン」の略。VIDA(ビダ)はスペイン語で「命」の意

(注2)国内で接種しているアストラゼネカ開発のワクチンは、インド血清研究所がライセンス生産するワクチン(コビシールド)と韓国のSKバイオサイエンスが受託生産するワクチンの2つがあるが、中身は同じ

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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