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人材派遣と労働者利益分配金に関する連邦労働法改正の国会審議開始

(メキシコ)

メキシコ発

2021年04月14日

メキシコ連邦下院の労働社会保障・大蔵公債合同委員会は4月13日、人材派遣を規制する連邦労働法改正案の国会審議を開始した。人材派遣規制については、行政府が2020年11月12日に連邦労働法改正案を国会に送付していたが、民間部門の反発が強かったため、民間部門と協議して合意が形成されるまでは審議を延期すると12月9日に発表されていた(2020年12月11日記事参照)。政府、経済界、労働組合の代表は4月5日、改正内容について合意に至ったと発表し、行政府が新たな法案を国会に送付するとみられていたが、新法案の提出はなく、提出済みの法案に議会が民間部門との合意を加味した修正を加えることで最終法案を作成し、審議が始まった。

審議中の法案によると、人材派遣に関する内容は、行政府の当初法案(2020年11月13日記事参照)からほとんど変更がなく、人材派遣は原則禁止される(改正案第12条)。「専門サービス・工事」のための人材派遣は許容されるが、「専門サービス・工事」の定義としては、当初の「派遣先企業の事業目的や経済活動の一部を形成しないサービス・工事」から、「派遣先企業の事業目的や優先的な経済活動の一部を形成しないサービス・工事」に変更され、「優先的な(Preponderante)」という単語が加わった。また、関連会社間で人材を派遣することは可能とされたが、第三者間と同様に「専門サービス・工事」のための人材の派遣でなければならない(改正案第13条)。専門サービス・工事提供会社が行う労働社会保障省(STPS)への登録義務についても変更はない(同第15条)。同時に改正される連邦税務総則法(CFF)や所得税(ISR)法、付加価値税(IVA)法の改正内容にも変更はなく、登録業者以外から人材派遣を受けた場合は、ISRの観点では経費が損金不算入となり、IVAの観点からは仮払い処理ができなくなる。

PTUの各労働者への分配額に上限設定

国会で審議中の法案と当初案との最大の違いは、労働者利益分配金(PTU)の分配額に上限を設定したことだ。PTUとは、労働者が企業利益の配分を受ける権利のことで、憲法第123条IX項、連邦労働法第3編第8章、2020年9月18日付官報で公示した第7回国家PTU委員会代表者審議会の決議に基づき、企業利益の10%相当を定められた計算方法に基づき労働者に分配することになっている。同法案によると、PTUに関する労働者の権利を調整する連邦労働法第127条にVIII項を新設し、各労働者のPTU受給額は当該労働者の給与の3倍、もしくは過去3年間のPTU受給額の平均のいずれか高い方を上限とした。PTUに関して改正されたのはこれだけで、分配のための計算方法には一切変更がない。よって、従来どおりの計算方法で各労働者のPTUを計算し、その額が上限を超えた場合、超過分については支給しなくても良いと解釈される。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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