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人材派遣を原則禁止する法案の審議は2021年2月に延期

(メキシコ)

メキシコ発

2020年12月11日

メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は12月9日の早朝記者会見で、11月12日に発表された連邦労働法改正法案(2020年11月13日記事参照)について民間部門と協議を行い、議会での審議開始を2021年2月まで待つことで合意したと明らかにした。同改正法案は、人材派遣を原則禁止する内容で、経済界から反発の声が上がっていた(2020年11月16日記事参照)。同早朝記者会見において、連邦政府、メキシコ企業家調整評議会(CCE)、労働組合などによって署名された合意書の内容は以下のとおり。

  1. 連邦政府および民間部門は人材派遣の乱用防止に取り組むことに同意する。民間部門は、連邦政府が提出した連邦労働法改正法案にのっとって、直ちに必要な準備を始める。
  2. 人材派遣の実施ができない状況下における労働者利益分配金(PTU)の取り扱いについては、十分に定義されておらず、社会的議論が行われていないため、各セクターに開かれたかたちで検討を実施する。
  3. 企業活動に及ぼす影響の大きさを考慮し、民間部門に準備期間を与えるため、国会における審議は2021年2月まで延期する。ただし、本改正法案は優先審議事項とし、審議期間は30日を超えないものとする。
  4. 労働者が不利益を被る不適切な給与の支払いなどについては遅くとも12月中に是正するよう、社会保険庁(IMSS)、労働者住宅基金庁(INFONAVIT)、国税庁(SAT)が対象の民間企業に対し公文書をもって注意喚起する。

大統領は本合意の狙いについて、民間部門との対話の期間を確保することで、人材派遣をめぐる問題の根底にあるPTUの分配について合意を形成することだ、と説明した(「エル・エコノミスタ」紙12月9日)。人材派遣が原則禁止となれば、間接雇用から直接雇用へ切り替わることにより、企業にPTUの支払い義務が生じるケースが想定されることから、企業への負担を軽減するためPTUの支払額に一定の上限を設けることを民間部門が提案し、連邦政府との間で適切な上限についての交渉が行われている、と報じられている(「ミレニオ」紙11月28日)。

COPARMEXなど複数の産業団体が合意書への署名を拒否

メキシコ経営者連合会(COPARMEX)、全国製造業会議所(CANACINTRA)、全国農業連合(CNA)は連名のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、合意書への署名を拒否したことを発表した。連邦労働法改正案は「企業が下請け業務を行うことを不当に制限するもの」で、「正規雇用の創出と維持を困難にするだけでなく、メキシコの国際的競争力を低下させ、何千もの中小・零細企業を廃業に追い込む」とした。

(注)課税所得に一定の調整を加えた金額の10%を従業員に分配しなければならない制度。

(松本杏奈)

(メキシコ)

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