ドイツ自動車産業の中国市場での存在感、販売・生産両面で高まる

(ドイツ、中国)

ミュンヘン発

2021年04月30日

ドイツ自動車産業連合会(VDA)は4月20日、中国・上海で4月19~28日に開催された第19回上海国際汽車工業展覧会(以下、上海モーターショー、2021年4月28日記事参照)に合わせ、ドイツ自動車産業の中国ビジネスに関する統計値を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

VDAによると、中国市場でドイツ自動車メーカー(フォルクスワーゲン、アウディ、BMW、ダイムラー)が占める販売割合は2010年の17.5%から2020年24.4%に拡大した。また、上記4社が中国で生産した乗用車は2020年に合計480万台に上り、同4社の全世界での合計生産台数の36%を占めた。VDAのヒルデガルド・ミュラー会長は「中国市場はドイツの自動車産業にとり大変重要な意味を持つ」とコメントしている。

VDAは、ドイツ国内生産でも中国は重要な地位を占めているとしている。2020年にドイツで生産された乗用車25万3,900台が中国に輸出された(全輸出台数の9.6%)。また、乗用車と商用車を合わせた中国への輸出額は約130億ユーロ、自動車部品の輸出額は約122億ユーロに上る。

各自動車メーカーが発表した2020年の販売台数をみても、全世界の販売台数に占める中国での割合は3割から4割を占める。具体的には、フォルクスワーゲングループの2020年の販売台数(商用車を含む)のうち、中国が占める割合は42.2%、ダイムラー(乗用車のみ)は36.3%、BMW(同)は33.5%となった。

ミュラー会長はこの機会を捉え、EUと中国が2020年12月に原則合意した包括的投資協定(CAI、2021年1月5日記事参照)についてもコメント。同協定が「ドイツの自動車産業にとって両国・地域の経済関係の深化のため、重要な礎となる」とし、協定発効により「(中国への)市場アクセス、持続可能な発展、労働分野での規制水準、人権、気候保護の課題解決の進展に寄与する」とした。

上海モーターショーには、VDAがドイツ経済・エネルギー省やドイツ見本市産業連盟(AUMA)の支援を受けてドイツ共同ブースを出展し、18社が参加した。参加企業や出展製品などはウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ、中国)

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