エリア1天然ガス開発、フランスのトタルが「不可抗力」宣言

(モザンビーク)

マプト発

2021年04月30日

フランス資源大手トタルは4月26日、同社がコンソーシアム筆頭となっているモザンビーク北部カーボ・デルガド州のエリア1天然ガス開発プロジェクトについて、「不可抗力」(注)を宣言するプレスリリースを発表した。同プレスリリースでトタルは、カーボ・デルガド州北部での治安状況の悪化(2021年3月30日記事参照)を受け、プロジェクトサイトのアフンギ半島から全プロジェクト関係者が退避したことを認めた。この状況により、同社はプロジェクトのオペレーターとして、不可抗力を宣言するに至ったと説明している。今回の声明では、プロジェクトの今後の進捗に与える影響などは言及されていない。

ポルトガルの通信社「ルサ」は4月26日、取材に応じたトタル広報担当者が治安状況の推移を今後も注視し、改善された際には引き続きプロジェクトを続けると述べたと報じた(「ルサ」4月26日)。

スタンダードバンク・モザンビークのチーフエコノミストのファウジオ・ムッサ氏は4月28日、モザンビーク日本商工会で講演を行い、プロジェクトの一時停止により天然ガスの生産が当初計画されていた2024年から後ろにずれ込む可能性があるとした。短期的には、投資家のモザンビークに対する投資意欲の減退、長期的には、天然ガス生産による歳入見通しが後ろ倒しになり、非開示債務の返済計画(2019年9月10日記事参照)に影響が生じる可能性などを指摘した。

エリア1天然ガス開発プロジェクトには、コンソーシアムに三井物産が参加しているほか、国際協力銀行(JBIC)など日本の金融機関による融資契約(2020年7月31日記事参照)も結ばれており、今後の経過が注目される。

(注)制御不能な事象の発生により、契約の履行が困難になる場合に、契約の一時停止または終了が可能となる条項。

(松永篤)

(モザンビーク)

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