天然ガス開発プロジェクトキャンプ地近郊を武装勢力が襲撃

(モザンビーク)

マプト発

2021年03月30日

大規模天然ガス開発が進むモザンビーク北部カーボ・デルガド州で3月24日、同州北部の港町パルマを標的としたイスラム系武装勢力による襲撃が発生し、モザンビーク国防省は25日に襲撃発生の事実を認めた。

パルマは、フランス資源大手トタルが筆頭となるコンソーシアムによってエリア1天然ガス田の建設が進められている同州アフンギ半島のキャンプ地ゲートから約6キロに位置し、物流や一部のプロジェクト関係者の拠点になっている。襲撃は約100人の武装勢力によって実行されたとみられており、銀行、商店、ホテル、モザンビーク機動隊施設が標的となった後、通信インフラが破壊されたことにより、現地の情報が入手しづらい状況になっている。

襲撃発生時、パルマには天然ガス開発プロジェクト関係者を含む外国人も滞在していたとされ、26~27日に約17台の車両がアフンギ半島のキャンプ地へ避難、および約1,300人が海路で州都ペンバへ避難したとされているが、住民・外国人の内訳は明らかになっていない。国防省のオマール・サランガ広報官は28日、住民と外国人を含む数十人が犠牲になったと述べるにとどまり、詳細については明らかにしなかった。

トタルは2021年1月、イスラム系武装勢力による治安悪化への対策として、アフンギ半島から一時的にプロジェクト関係者を退避させ、建設工事を中断すると発表していた(2021年1月15日記事参照)が、3月24日に建設工事の段階的な再開を発表していた。報道によると、トタルの天然ガス開発プロジェクト関係者約1,000人はパルマ近郊から既に避難しており、犠牲者は発生していない(「ドイチェ・ビレ」3月28日)。他方、現地報道によると、トタルは27日、建設工事の再開を見送る声明を発表した(「オ・パイス」3月28日)。

(松永篤)

(モザンビーク)

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