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米国との関税割当合意、欧州農業・食品業界はEU・米の追加関税の一時停止を歓迎

(EU、米国)

ブリュッセル発

2021年03月11日

EUと米国が3月5日、民間航空機紛争に伴い相互に賦課していた追加関税を4カ月停止すると発表した(2021年3月8日記事参照)ことを受けて、ビジネスヨーロッパ(欧州産業連盟)は同日、EUと米国の関係に長年、影を落としてきた同紛争の解決へ向けた重要な一歩と評価する声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。特に、輸出に大きな影響受けていた農業・食品業界からは歓迎の声が相次いだ。

欧州最大の農業協同組合・農業生産者団体COPA-COGECAは3月8日、関税の一時停止は「EU、米国双方の農業関係者にとって非常に重要な動きだ」として、EUと米国はこの4カ月の間に、紛争の恒久的な解決策を見いだすよう促した。また、EU・米国間には、デジタル課税などほかにも懸念事項があると指摘し、直接関係がない農産品へ影響が及ぶことへの不満と警戒感を示しながらも、両者にはWTO改革など共通の関心事項があると、今後の協力関係の進展に期待を示した。

食品・飲料事業者の産業団体フード・ドリンク・ヨーロッパも3月8日、追加関税に加え、「新型コロナウイルス危機」の打撃も受けた同業界にとって「大きな安堵(あんど)だ」と歓迎外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。EUと米国が航空機紛争の解決だけでなく、他の貿易摩擦の緩和や、長期的な関係強化へ向けて、前向きな通商アジェンダに取り組むことを期待するとした。また、特に主要輸出先である米国への輸出が大きく減少しているワイン・スピリッツ業界も今回の発表を歓迎。欧州原産地名称ワイン連盟(EFOW)は3月5日、「新型コロナ危機」の影響もあり、追加関税の対象となっていたワインの米国向け輸出はほぼ半減しており、今回の発表はワイン部門を再び活気づけると評価する声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。スピリッツヨーロッパ(欧州の蒸留酒業界団体)も同日、「生産者にとって大きな負担の軽減」と歓迎外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしたが、一方で、米国産ウイスキーのEU向けの輸出に打撃を与えているとして、鉄鋼・アルミニウムに関する紛争の解決も期待するとした。

英国のEU離脱後の関税割当についても米国と合意

また、欧州委員会は3月8日、米国との2年にわたる交渉の結果、牛肉、乳製品やワインなどの関税割当取り決め(TRQ)について、合意したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。英国のEU離脱に伴い、EUと英国の間の関税割当枠の案分調整の必要が生じ(2018年11月2日記事参照)、EUはWTOの枠組みの下で、米国を含む22カ国と交渉を行い、既にアルゼンチンやオーストラリアなどと合意している。欧州委のヤヌシュ・ボイチェホフスキ委員(農業担当)は、今回の合意は米国との貿易・経済関係の重要性を示し、両者が相互に、そしてWTOの枠組みにおいても協力していくというシグナルを送るものだと、その意義を強調した。今回、米国と合意したTRQは今後、欧州委で採択後に、EU理事会(閣僚理事会)と欧州議会での承認手続きを経て、発効される。

(滝澤祥子)

(EU、米国)

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