サンパウロ州政府、緊急事態フェーズ新設、さらなる活動制限へ
(ブラジル)
サンパウロ発
2021年03月15日
ブラジル・サンパウロ州のジョアン・ドリア州知事は3月11日の記者会見で、州内の新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからないことから、州全域の感染警戒レベルを見直すとともに、「緊急事態フェーズ」を新設して、3月15~30日に同フェーズを適用し、これまで以上に経済活動を制限することを発表した。
サンパウロ州では従来、5段階(赤、だいだい、黄、緑、青)の感染警戒レベルを設定し、感染拡大状況などに応じてそのいずれかを適用し、経済活動を制限して感染を抑え込んできた。しかし、3月10日時点で同州内の1日当たり死者数は前日比12.3%増の319人(注1)、集中治療室(ICU)占有率が87.6%で医療態勢が逼迫している。そのため、従来の感染警戒レベルの中で最も厳しい「赤(フェーズ1)」を上回る「緊急事態フェーズ」を創設した(2021年3月5日記事参照)。
「緊急事態フェーズ」での主な制限措置は、以下のとおり。
- 「赤」で必需産業と認められ、活動が許可されていた14セクター(注2)の活動制限
- 建設資材店の営業禁止
- ミサなどの宗教行事やサッカーなど団体スポーツ活動の禁止
- テークアウトサービスの制限
- 必需産業に指定されていないセクターの事務業務従事者と公的機関職員のテレワーク義務化
- 午後8時~翌日午前5時の外出禁止
- ビーチや公園の利用禁止
- 全ての集会活動禁止
- 屋内外を問わず、マスク着用の徹底
- スーパー、薬局、パン店など必須産業の営業時間は午後8時まで
- ドライブスルーの営業時間制限(午前5時~午後8時)
また、サンパウロ州政府は、都市圏への公共交通機関を利用した午前の出勤の際は時差出勤を推奨している。業種別の推奨出勤時間は以下のとおり。
- 午前5時~7時:製造業従事者
- 午前7時~9時:サービス業従事者
- 午前9時~11時:商業従事者
(注1)1週間でみた1日当たりの平均値の数字。
(注2)事業所・コールセンター、商業施設、公的業務、レストラン・バー、輸送サービス、教育、スーパーマーケットなど。これらの業務に従事する労働者は約400万人と推定される。
(松平史寿子)
(ブラジル)
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