米石油・ガス開発のサンダンス・エナジーが破産申し立て

(米国)

ヒューストン発

2021年03月12日

米国の石油・ガス開発会社サンダンス・エナジー(本社:コロラド州デンバー)は3月9日、テキサス州南部地区連邦破産裁判所に米国連邦破産法第11章適用の申し立てを行ったことを発表した。近年の経営悪化に加え、新型コロナウイルス感染拡大と原油・天然ガスの価格変動の影響を受けたとみられている。

同業社では、チェサピーク・エナジー(本社:オクラホマ州オクラホマシティ)が2020年6月28日に(2020年6月30日記事参照)、オアシス・ペトロリアム(本社:テキサス州ヒューストン)(2020年10月5日記事参照)とローンスター・リソーシズ(本社:テキサス州フォートワース)が9月30日に(2020年10月8日記事参照)、同様の申し立てを行っている。

サンダンス・エナジーは、主にテキサス州南部のイーグルフォード盆地で操業し、2020年9月末時点で生産高が日量平均9,263バレル、収益は6,840万ドルだった。

「ヒューストン・ビジネス・ジャーナル」紙(電子版3月10日)によると、申し立て時点の負債額は約4億ドル。同社は、破産後に所有権を完全に債務者に譲渡することと引き換えに、約2億5,000万ドルの債務を免除される。

エネルギー関連の倒産に詳しいヘインズ&ブーン法律事務所の資料によると、北米の石油・ガス開発会社の倒産件数と倒産額はともに、2017年に24件(倒産額85億ドル)、2018年に28件(132億ドル)、2019年に42件(258億ドル)、2020年に46件(531億ドル)と増加傾向が続いている。その一方で、「ヒューストン・ビジネス・ジャーナル」紙(同上)によると、ヒューストン全体の石油・ガス開発会社の倒産ペースは2021年に入り鈍化しているという。

なお、サンダンス・エナジーの株価は2021年以降3ドルを超えることもあったが、2月中旬から徐々に値を下げていた。破産申請を受けて急落し、3月10日の終値は1.71ドルだった。

(沖本憲司)

(米国)

ビジネス短信 b4055855ac84506c