3月1日以降の新型コロナ警戒信号の色を発表、赤の州がゼロに

(メキシコ)

メキシコ発

2021年03月01日

メキシコ連邦保健省は2月26日、3月1日以降に適用される各州の新型コロナウイルス感染警戒信号(2020年5月15日記事6月2日記事6月15日記事8月31日記事参照)の色を発表した。全国32州のうち、10州がオレンジ、20州が黄色、2州が緑となり、赤が2州、オレンジが11州減り、黄色が12州、緑が1州増えた。今回、信号の色が後退したのは、黄色からオレンジになったタバスコ州のみ。赤信号の州はゼロとなったが、これは2020年10月25日以来だ。オレンジから黄色に好転したのはアグアスカリエンテス州、ハリスコ州、サカテカス州など12州で、グアナファト州とゲレロ州は赤からオレンジを飛び越えて黄色になった。また、カンペチェ州が4週間ぶりに黄色から緑に復帰した(添付資料表参照)。

進出日系企業が多い州では、メキシコ市、メキシコ州、ヌエボレオン州、ケレタロ州、サンルイスポトシ州がオレンジ、アグアスカリエンテス州、バハカリフォルニア州、チワワ州、コアウイラ州、ハリスコ州、グアナファト州、タマウリパス州、サカテカス州が黄色となる。首都メキシコ市は引き続きオレンジだが、レストランの営業をテラス席などの野外のみから屋内でも30%の収容率まで認める、映画館などの操業を再開するなど、経済活動の再開を徐々に進めている。

4社から合計304万回分のワクチンを受領、227万回分を接種

連邦保健省の2月26日夕刻の記者会見によると、メキシコは同日までに303万9,625回分のワクチンを製薬会社から受領しており、そのうちの176万9,625万回分が米国のファイザー、87万回分が英国のアストラゼネカ、20万回分が中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)、20万回分がロシア国立ガマレヤ研究所のスプートニクVとなっている。そのうち、26日午後4時時点で74.7%に相当する227万1,032回分を接種済みだ。内訳としては、医療関係者73万5,989人に合計129万8,300回分(医療関係者の76.4%には2回目を接種済み)、60歳以上の高齢者に95万5,269回分(全て1回目のみ)、カンペチェ州の教育関係者に1万7,463回分(同)を接種している。

2月27日には中国製シノバックのワクチン20万回分、3月2日にはファイザーのワクチン85万2,150回分が届く予定で、今後も両社のワクチンは定期的に到着する予定。3月中には、国内でパッキング工程を行うアストラゼネカおよび中国の康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)のワクチンの使用が開始されるため、連邦政府は世界保健機関(WHO)が主導するCOVAXファシリティーを通じたワクチンも含め、5月末までに1億回分を超えるワクチンを調達し、接種する計画だ。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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