2020年第4四半期の成長率は前期比年率6.3%、経済活動再開で2期連続のプラス成長

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2021年03月12日

南アフリカ共和国統計局は3月9日、2020年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率(前期比、年率換算、季節調整済み)を6.3%と発表した(添付資料表1参照)。前期もロックダウンによる経済活動制限が緩和された影響で67.3%を記録しており(2020年12月10日記事参照)、2期連続のプラス成長となった。2020年の通年の成長率は1946年以来過去最大の落ち込みとなるマイナス7.0%だったが、2020年10月末に財務省が中期予算方針(2020年11月4日記事参照)において発表したマイナス7.8%の予測からは上方修正された。

産業別の第4四半期成長率では、製造業が活動再開を受けて前期比年率21.1%となり、前期に続きGDPの寄与度は最大となった。特に食品・飲料、自動車・部品などが好調だった。同じくロックダウン中に活動制限が課されていた卸・小売り・飲食業なども2期連続のプラス成長となる9.8%となった。他方、鉱業は白金族や石炭、ダイヤモンドの生産減によりマイナス1.4%となったほか、GDPの約2割を占める金融・保険・不動産業・企業サービスもマイナス0.2%とマイナスに転じた。

需要項目別の第4四半期成長率では、需要全体の約6割を占める民間最終消費支出が経済活動の再開を受けて回復が続き、2期連続のプラス成長となる前期比年率7.5%だった(添付資料表2参照)。特に旅行活動の本格再開を受けて、レストラン・ホテル業が3.2倍%と急回復した。輸出も主に自動車や輸送機器、貴金属などの回復が続き、26.6%と前期に続きプラス成長になった。輸入は自動車・部品や卑金属、機械・電気機器などを中心に輸出を上回る52.4%となり、輸出入全体ではGDPを押し下げた。

2期連続のプラス成長となったのは2018年第3~4半期以来だが、経済活動の再開が大きな要因だった。南アでは、2020年末に国内で確認された新型コロナウイルス変異株「501Y.v2」により感染者が急増し、2021年2月末まで約2カ月間にわたり再び経済活動の一部が制限されていた(2021年3月3日記事参照)ことから、次期の成長率にどの程度影響するか注視が必要だ。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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