3月15日以降の新型コロナ警戒信号の色を発表、緑の州が3州に

(メキシコ)

メキシコ発

2021年03月15日

メキシコ連邦保健省は3月12日、3月15日以降に適用される各州の新型コロナウイルス感染警戒信号(2020年5月15日記事6月2日記事6月15日記事8月31日記事参照)の色を発表した。全国32州のうち、8州がオレンジ、21州が黄色、3州が緑となり、オレンジが2州減り、黄色が1州、緑が1州増えた。今回、信号の色が後退した州はない。オレンジから黄色に好転したのはヌエボレオン州とサンルイスポトシ州で、ソノラ州が黄色から初めて緑に好転し、緑の州が合計3州となった(添付資料表参照)。メキシコにおける新型コロナウイルス新規感染者数(発症日ベース)は1月の第2週(1/10~1/16)から2月の第8週(2/21~2/27)まで7週連続で減少している。病床利用率も低下傾向にあり、3月11日時点で一般病床は26%、人工呼吸器付き病床は29%まで低下している。首都メキシコ市の一般病床利用率も、3月6日には2020年11月8日以来となる50%未満となり、2021年3月11日時点では47.2%まで下がっている。

進出日系企業が多い州では、メキシコ市、メキシコ州、ケレタロ州がオレンジ、アグアスカリエンテス州、バハカリフォルニア州、チワワ州、コアウイラ州、ハリスコ州、グアナファト州、ヌエボレオン州、サンルイスポトシ州、タマウリパス州、サカテカス州が黄色となる。首都メキシコ市は引き続きオレンジだが、レストランの営業をテラス席など野外は午後11時まで認める、カジノやボーリング場の操業を収容可能人数の20%までの制限で再開するなど、経済活動の規制を緩和している。

高齢者向けワクチン接種が進む

連邦保健省の記者会見によると、メキシコは3月11日までに542万9,375回分のワクチンを製薬会社から受領しており、そのうちの322万2,375万回分が米国ファイザー、87万回分が英国アストラゼネカ、100万回分が中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)、40万回分がロシア国立ガマレヤ研究所のスプートニクVとなっている。そのうち、12日午後4時時点で受領分の73.8%に相当する400万5,131回分を接種済みだ。内訳としては、医療関係者82万5,227人に合計135万4,258回分(医療関係者の71.7%には2回目を接種済み)、60歳以上の高齢者に255万2,981回分(全て1回目のみ)、カンペチェ州の教育関係者1万7,463人に合計3万4,892回分(うち99.8%に2回目を接種済み)を接種している。

3月中には国内でパッキング工程を行うアストラゼネカおよび中国の康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)のワクチンの使用が開始されるため、連邦政府は高齢者に対する接種をさらに加速させ、4月中には60歳以上の全高齢者に接種を完了することを目指している。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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